越境EC向けの自社ECサイトを構築する方法|おすすめのASPサービス8選

ネットショップを出店(出品)するときは「既に世の中にあるECモールを利用する方法」と「自社でECサイトを作る方法」の2つがあります。

しかし「HTMLやCSSなどWeb知識が無いからECモール一択か…」と諦めていませんか?

実は自社でECサイトを作る際に「ASP」というサービスを使えば、Webの知識が無くても、海外販売向けのサイト設定が分からなくても、簡単にECサイトを作ることができます。

そこで今回は、Web初心者・ECサイト初心者でも簡単にECサイトが作れる方法や、おすすめのASPを無料・有料サービス別で紹介します。個人~規模がそこまで大きくない企業の方におすすめの内容です。

ネットショップを開業する2つの方法

インターネットで商品を出店(出品)する際、「モール型」と「自社EC型」の2種類の出店方法があります。

これは日本国内でネットショップを展開する時だけでなく、海外向けの越境ECも同様に、この2種類から展開するのが一般的です。

それぞれどういった特徴があるのか簡単に紹介します。

モール型の出店(出品)方法

「モール型」の出店(出品)は、1つのサイトにさまざまな店舗が集まった、インターネット上のショッピングモールで販売する方法です。日本でいうところの楽天やAmazonなどがあげられます。

モールには決済や配送のシステム等、ECモール運営に必要な機能・システムが既に組まれているだけでなく、出店開始から購買意識の高いユーザーを集客することが可能です。その分として、テナント料や手数料など必要経費を支払って利用することができます。

自社EC型の出店(出品)方法

「自社EC型」の出店(出品)は、サーバーやドメインを用意した上で自社サイトを構築し、運用する方法です。現地言語や決済の設定、配送の管理まで全て自社で行うのが基本です。

モール型ではサイトデザインや機能などモールの規定に沿う必要がありますが、自社EC型の場合は自社のイメージに合ったデザインを取り入れたり、必要な機能の追加、ブランディングを行うことができます。

 

「モール型」と「自社EC型」の魅力や注意点を詳しく知りたい方は、下記記事もぜひご覧ください。

越境ECの出店方法|自社サイトとECモールの違いやメリット・デメリットを解説

2022.05.05

越境ECサイトの開発方法とは

自社EC型でネットショップを運営する場合、下記の5つを使ってECサイトを構築していきます。

①ASP     (年商1億円未満)
②オープンソース(年商1億円あたり)
③パッケージ  (年商1億円~50億円未満)
④クラウドEC    (年商1億円~20億円)
⑤フルスクラッチ(年商50億円以上)

年商規模によっておすすめする開発方法は異なりますが、ひとまずどういった構築方法があるのか全体を把握していきましょう。

①手軽・簡単で初期費用を抑えられる「ASP」

「ASP」とはApplication Service Providerの略で、サイト構築に必要な機能をインターネットを介して利用できるシステムです。

ECサイト向けのESPには、カート機能、決済、配送といったようなEC業務に関わる機能が備わっており、無料~数万円と低価格で利用できます。

「初期費用が抑えられる」「手間やWeb制作に関するリテラシーが必要としない」「短期間で導入できる」「システムが自動でアップデートされる」ことを求めている方は、5つのショッピングカートの中で最もおすすめです。年商1億円未満、あるいは注文数が一日100件未満の個人や中小企業の方にもぴったりです。

ただし、あらかじめ用意された機能しか利用できず、後述するサービスと比べるとカスタマイズの幅が狭まることから、自由度を求める方や注文数が多い場合には他のショッピングカートを利用するのがよいでしょう。

②初期費用を抑えカスタマイズが広い「オープンソース」

「オープンソース」は外部に一般公開されているソースコードをインストールして、ECサイトを構築する方法です。

オープンソースは基本的に無料でインストールでき、ドメインやサーバーを年間数千円程度で取得できるので、低コストで始めた方にぴったりです。ASPよりカスタマイズの幅が広がるため、ある程度自由にサイト構築を行いたい方や年商1億円あたりの事業者におすすめです。

しかし、自社で保守管理やアップデートを行うこと、セキュリティの脆弱性について知識がなければなりません。デザインにこだわる場合はデザイナー費用がかかるので、Web制作の知識やスキルがある人材、デザイナーの確保が必要となります。

③必要な機能がパッケージングされている「パッケージ」

「パッケージ」はECサイトの構築や運営に必要なシステムと機能があらかじめパッケージングされた、ショッピングカートシステムのことです。

商品管理や在庫管理、外部システムとの連携、売上管理などの機能がセットになったものを基礎とし、必要に応じてカスタマイズしていくことができます。システムをインストールすればプログラミングせずに、拡張性高く柔軟にカスタマイズしたネットショップを構築できるのが魅力です。

ただし、基礎となるパッケージ費用は数百万円~、追加カスタマイズは数十万円~数百万円と初期費用が高くなります。数年に一度アップデートを行う必要もあるので、ランニングコストもかかります。年商1億円以上50億円未満の事業者におすすめです。

④自由度が高くコスパがいい「クラウドEC」

「クラウドEC」はクラウド上にあるプラットフォームを用いてECサイトを構築する方法です。

他の方法では自社のサーバーにプラットフォームをインストールする必要がありますが、クラウドECはインストールせず全てクラウド上でサイト運営ができます。ASPのようにシステムが自動アップデートされ、パッケージのようにシステム連携やカスタマイズの自由度が高いことから、両方の良いところをとったシステムと言えます。

長期的に見るとコストパフォーマンスが良く、導入期間が短いのが魅力です。専門的な知識を必要としないため、新しい人材確保や社内リソースを割くことが難しい場合、年商1億円~20億円規模の事業者におすすめです。基本的にソースコードを開示していないため、ソースコードを把握したい、自社でECシステムを保守管理したい場合は向いていません。

⑤機能とデザインともに自由度マックス「フルスクラッチ」

「フルスクラッチ」はまっさらな状態から自社ECを構築する方法です。

用意されたプログラムやソフトウェアを使わないので、機能とデザインともに最も自由度が高いのが魅力です。全システム・機能を社内で管理できるため、独自のサービスや機能を導入したい場合、PDCAを高速に回しサイトを最適化して収益向上に繋げることができます。

その分、数億円の費用と年単位での導入期間がかかること、アップデートをするための改修費用や労力が莫大にかかることから、十分な資金とリソースを割けられる大企業規模におすすめです。

 

ECショップの開業が初めての方や、規模数がそこまで大きくない個人・企業の方が自社サイトを構築する場合、①のASPカートを利用する方法がおすすめです。

ASPといってもさまざまなサービスが展開されています。ここからはどういったASPがあるのか、初期費用が無料・有料に分けて紹介していきます。

【無料】個人~中小規模におすすめのASPカート3選

まずは、初期費用が無料で使えるASPカートを紹介します。

・BASE
・STORES
・Cafe24

BASE

【特徴】
・売れたら手数料を払うからノーリスク

・豊富なデザインテンプレートから選べる
・安心安全な入金管理

「BASE(ベイス)」は誰でも簡単に、初期費用・月額費用0円でECサイトを作成することができるサービスです。売れた時のみ業界最安水準の手数料が発生する仕組みなので、ノーリスクではじめられるのが魅力です。

ベースとなるテーマが幅広く用意されているので、ショップを開設してすぐ利用できます。細かなところは直感的な操作だけでデザインパーツをカスタマイズしていけるので、デザインの専門知識は一切不要です。プロが作ったような本格的なショップを簡単に作成できます。

決済会社との契約、入金確認などの作業は必要なくBASEの管理画面だけですべてのお金の管理ができるので、手間がかからず安心してお金のやり取りができます。入金サイクルは申請から10営業日、お急ぎ振込なら最短翌営業日と早いのも魅力。

参考:BASE(https://thebase.in/)

STORES

【特徴】
・登録商品数無制限で利用できる
・パソコンとスマホどちらでも簡単デザイン
・アクセス解析機能

「STORES(ストアーズ)」は登録商品数無制限で使えるサービスです。月額利用料無料で決済手数料が5%の「フリープラン」と、月額利用料2,178円(税込)で決済手数料が3.6%の売上が伸びるほどお得な「スタンダードプラン」が用意されています。

無料で使えるテンプレートは48種類あり、HTML・CSSの知識がなくてもカスタマイズ機能から誰でも簡単に美しいデザインが作成できます。外部サイトへ購入ボタンを埋め込み可能なだけでなく、パソコンとスマートフォンのどちらからでもデザインできるのも魅力です。

ショップに訪れる訪問者数や滞在時間など、アクセス情報を簡単に確認できます。データを分析することで、商品の発注や商品開発、サイトデザインの戦略などに役立てられます。

参考:STORES(https://stores.jp/)

Cafe24

【特徴】
・7か国の多言語対応も無料
・海外販売向けの決済に対応
・デザインは無料と有料から選べる

「Cafe24(カフェ24)」は初期費用や月額費用が無料というのはもちろん、多言語対応の機能も無料で利用できるので越境EC利用者におすすめです。言語は英語、日本語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、スペイン語、ポルトガル語の7か国語に対応し、AIを使った自動翻訳機能の搭載で、業務の効率化に役立てられます。

ネットショップに必ず導入したい決済はもちろん、海外販売向けの決済にも対応しています。決済代行会社と直接契約を交わせるので、多言語に合わせた現地通貨での決済が導入できます。

無料で利用できるデザイン数は少ないですが、有料であればファッション、食、ジュエリーのように業種別やベストセラーから選択することが可能です。どのテーマを使っていいのか悩む方におすすめです。

参考:Cafe24(https://www.cafe24.co.jp/)

【有料】個人~中小規模におすすめのASPカート5選

続いては、機能の幅が広がる有料ASPカートを紹介します。

・MakeShop
・Shopify
・カラーミーショップ
・aishipR
・FutureShop

MakeShop

【特徴】
・導入1万社を超える確かな実績
・あらゆるお悩みを無料でサポート
・越境ECにも対応

「MakeShop(メイクショップ)」は法人の導入が1万社以上、2021年の流通額は2,749億円を超える実績を誇るASPです。有料ASPでは10年連続No.1を取り続けている理由の一つがコストパフォーマンス。システムのカスタマイズ有無によって月額費用や初期費用は異なりますが、どれだけ売れても販売手数料0円で利用できます。

ネットショップ初心者にありがちな何からはじめていいか分からないという状態や、デザイン、機能の使い方など、さまざまなお悩みを無料でサポートしてくれます。サポートは親切で回答が早いので、利用者の満足度の向上に繋がっています。

事業者ごとに異なる課題を、幅広いサービスと機能で応えてくれます。海外販売でハードルとなる言語、決済、物流などの準備は一切不要です。日本の専門事業者が代行して行ってくれるので、自社ECのオペレーションを変えることなく海外販売が可能です。

参考:MakeShop(https://www.makeshop.jp/)

Shopify

【特徴】
・全世界175ヵ国、170万店舗以上で利用
・カスタマイズ性が高い
・SNSを連携した販売が可能

「Shopify(ショピファイ)」は2004年にカナダで創業、2017年に日本法人が設立されたECサービスです。全世界175ヵ国、170万店舗以上のストアで利用されており、日本を含め世界中での新規出店数が伸び続けています。

最大5言語までの複数言語と、さまざまな通貨に対応しているので、海外展開にもぴったりです。決済システムも充実しているので、ターゲット国に合わせた設定が可能です。

Instagram、Facebook、Twitter、Pinterest、TumblrなどのSNSとの連携に対応しています。連携してSNSで直接販売することで、さらなる認知度や売上の向上を目指せます。

参考:Shopify(https://www.shopify.com/)

カラーミーショップ

【特徴】
・4万店舗以上が導入したきた老舗
・解説動画で理解が深まりやすい
・カスタマイズの自由度が高い

「カラーミーショップ」は2005年よりサービスを開始し、4万店舗以上が導入している国内最大級のネットショップ作成サービスです。

ECサイトの開設が初めてで、ITやデザインの知識がないという方でも使いやすいのがポイントです。お悩みにはメールサポートを受けられ、サービスの使い方や運営のノウハウは分かりやすく解説された動画を何度も見ながら理解を深められます。

無料・有料ともにビジュアルにこだわったテンプレートが用意されてます。商品ジャンルごとにおすすめのテンプレートを利用するのも良し、こだわったデザインにするならHTML・CSSを編集して自社だけのオリジナルを作成することもできます。

参考:カラーミーショップ(https://shop-pro.jp/)

aishipR

【特徴】
・スマホファーストで設計
・常に最新かつ高機能
・アクセス集中に対応

「aishipR(アイシップアール)」はスマホファーストで設計された、レスポンシブデザイン対応のショッピングカートシステムです。スマートフォン、タブレット、パソコン版などと別々にページ構築することなく、1ページでどのデバイスでも最適に表示してくれます。SEO効果も期待できます。

EC運営に必要な基本的な機能以外にも、SNSでの販促機能や豊富な決済、離脱を極限まで抑えたサイト構築が可能です。月2回の無償バージョンアップにより、常に最新の機能・オプションを利用できます。

AWSのオートスケーリング機能により、負荷に応じてサーバーを自動で拡張対応します。専用サーバー化もできるので、メディア掲載やSNS、大規模プロモーションなど、分間数万PVレベルのアクセス負荷増大時も安定したアクセスが可能です。サイトに接続できない、繋がりにくいといった理由で顧客を逃す心配がありません。

参考:aishipR(https://www.aiship.jp/)

FutureShop

【特徴】
・パーツを組み合わせてサイトを構築
・どの端末からでも購入できるクロスデバイス対応
・ECアドバイザーからの手厚いサポート

futureshopはサイトデザインの自由度が高く、運用しやすいプラットフォームです。商品画像やカートボタンなどECサイトを構成する要素を一つ一つパーツ単位に分割することで、イベントやニューアイテム紹介といった期間限定のお知らせなど、素早い対応が必要な運用に便利です。

カート内の商品はスマートフォン・PC・タブレットどの端末からでも購入できる、クロスデバイス対応を行っています。ログインしている状態でショッピングカートに入れた商品は、最大90日間保存されるだけでなく、購入完了までのステップ数が少ないことから、カゴ落ちを防ぎます。

経験豊富なECアドバイザーより、電話・メール・無料勉強会でのサポートを受けることができます。futureshopを利用したショップは7店舗に1店舗が年商1億円を突破しており、自社ECでブランドを成長させてきたというノウハウが長年蓄積されています。契約前に直接会って相談できる説明会や、契約後の活用方法アカデミーも毎月開催されています。

参考:FutureShop(https://www.future-shop.jp/)

まとめ

今回は、Web初心者・ECサイト初心者でも簡単にECサイトが作れる方法や、おすすめのASPを無料・有料サービス別で紹介しました。

自社サイトの構築にはさまざまな方法があり、コストをあまりかけずにネットショップを開業することができます。ASPサービスはさまざまあるので、業種や自社にあったサービス内容を見極めて選びましょう。

 

この記事では自社ECを構築する方法について紹介しましたが、ECモールを利用したネットショップ開業について詳しく知りたい方は、下記記事もぜひご覧ください。

越境ECの出店サイト選び|海外の人気モールランキング11選【国別】

2022.06.10