「大手旅行サイトに掲載をすれば簡単に集客ができると思っていませんか?」
2020年に東京五輪を控えている日本では、政府が大々的に宿泊施設や小売店に対してインバウンド対策を推奨しています。しかし、いざ外国人観光客の集客をしようと思っても、これまで経験やノウハウが無ければ何もできません。
今回ご紹介する「Ctrip」では、世界最大級のオンライン旅行サイトであり、「Ctripを使えば、インバウンド対策になる!」と言われているほど、他の旅行サイトとは明らかに違うポイントがありました。本記事ではCtripの概要や特徴、ユーザーからの評判についてご紹介します。
目次
世界最大級のオンライン旅行サイトCtripとは?
Ctrip(シートリップ)とは、中国の上海に本社を構える世界最大級のオンライン旅行サイトです。店舗で営業活動を行っていないことからOTA(Online Travel Agent)と呼ばれています。
Ctripは、Trip.comという旅行サイトを展開しており、主に宿泊施設の予約、航空券の手配、鉄道の予約などのサービスを提供しています。
2003年にはNASDAQに上場を果たすと、年々会社の規模を拡大しており、従業員は3万人以上、コールセンターでは17,000人が勤務しています。今では全世界で3億人の会員数を突破しました。中国国内だけではなく、東京やニューヨーク、シドニーなどで事業を展開しています。
サイト名 | 携程(Ctrip / シートリップ) |
本社所在地 | 上海 |
設立 | 1999年 |
リスティング数(全世界) | 1,000,000件 |
リスティング数(日本) | 20,000件 |
リスティング数(東京) | 1,669件 |
リスティング数(大阪) | 1,841件 |
リスティング数(福岡) | 214件 |
都市数 | 5,000都市 |
国数 | 209ヶ国 |
ゲスト手数料 | 15.0% |
Ctrip(Trip.com)は、世界200ヶ国以上、120万軒のホテルと提携しており、フライトは200万ルートを確保していることから、目的地までのアクセスもスムーズになっています。
Ctripでは中国語だけではなく、日本語を始めとする19ヶ国に対応しているので、サービス内容も充実しています。
Ctripのサービス内容とは?
Ctrip(Trip.com)では、旅行客に対して主に下記の3種類のサービスを提供しています。
- 宿泊施設の予約
- 航空券の予約
- 鉄道の乗車券の予約
宿泊施設の予約
Ctripでは世界200ヶ国120万軒の中から自分にぴったりのホテルを予約することができます。日本はもちろん、東南アジアやヨーロッパのホテルまで網羅しています。
Ctrip(Trip.com)のサービスが人気なのはウェブサイトやアプリ上で全ての情報が把握できることです。
- ホテル概要
- 空室数
- アメニティ&サービス
- 施設情報
上記項目は全て詳細に記載されているのですが、最も気になるのはホテルの安全性や快適性です。Ctripでは、実際の利用者からの口コミや評価を余すことなく掲載しています。利用者だから気になる細かい部分の情報も見れるので、安心してホテル選びができます。
評価を数値化することで、他のホテルと比較しやすくなります。アイコンの下には「1人旅」「カップル・夫婦での旅行」など、利用者の人数や宿泊した部屋が記載されているので、より信憑性の高い情報を知ることができます。
また、宿泊施設側は多くのお客さんを呼び込みたいので、Ctripでの口コミを参考にサービス改善に努めることで、結果的に質の良いホテルだけが掲載されることになります。
航空券の予約
Ctripでは航空券の予約もできます。ANAやアメリカン航空など大手航空会社から、ジェットスターなどの格安航空会社まで幅広く取り扱っており、その中でも最低価格のフライトを自動でリストアップする機能も搭載されています。
また、絞り込み検索機能では「座席クラス指定」や「航空会社指定」も可能です。所要時間も算出されるのでスケジュールが立てやすく、同じサイト上で全てが完結する利便性の高さも魅力です。
鉄道の乗車券を予約
一般的には空港に到着してから鉄道やバスの乗車券を手配するのですが、Ctripでは事前に乗車券を予約することで、混雑が予想されるチケット売り場に並ぶ必要がなく、焦りから間違った乗車券を購入するようなアクシデントも起こりません。
Ctripでは、「中国鉄道」「イギリス」「韓国」「ドイツ」「日本」の鉄道の乗車券購入をサポートしており、座席指定なども対応可能です。
Ctripの特徴とは?
世界各国の旅行好きがCtripを支持しているのは、Ctripだけにしかない魅力があるからです。「凄い!」「使いやすい!」「お得!」というポジティブな会話の中からCtripを知った方も多いでしょう。
日本語対応のカスタマーサポート
Ctrip(Trip.com)では、365日対応してくれるカスタマーサポートがあります。中国発のサイトなので、サポートが不十分だと思われがちですが、2014年5月に日本橋の茅場町に日本法人を設立し、日本人への対応を始めました。
日本語対応しているウェブサイトや使い勝手の良いアプリも開発されており、ユーザビリティの高いサービスを提供していることが、全世界の会員数が3億人を超えている要因なのでしょう。
Ctrip(Trip.com)だけの特価サービス
Ctripでは会員限定に下記の4種類の特価サービスを提供しています。
- ホテル
- 航空券
- カード優待
- Point PLUS
会員限定の特価サービスこそがCtripの最大の魅力であり、他の旅行サイトと一線を画す部分です。「ホテル特価」では特定の国や地域の宿泊料金が最大で64%割引される会員サービスもあります。
Ctripの特価サービスは1つのホテルだけではなく、対象国内の全てのホテルが割引されます。例えば、2019年6月現在では台湾の50店舗を超えるホテルが特価対象に指定されています。
台湾の中心地である台北の高級ホテルにお手頃な価格で宿泊できることが話題になっており、ホテル特価を求めてCtripの会員になる観光客もいます。
Ctripは訪日中国人観光客を増やす取り組みが凄い
ここまでは、Ctripを利用するユーザー向けの利点をご紹介しましたが、Ctripに店舗を掲載するオーナーの視点でも多くのメリットがあります。
日本政府は2020年の東京五輪までに、訪日外国人観光客を4000万人にする目標を掲げています。そんな中で、Ctripは訪日中国人観光客を増やす施策を行っています。
中国人観光客の口コミを積極的に掲載
Ctripでは、日本の宿泊施設の紹介ページでは、日本に訪れた中国人の口コミを積極的に掲載しています。
実際に日本のホテルを利用した中国人が評価をすることによって、宿泊施設側がPRをするよりも情報に信憑性が生まれるのです。
偏に外国人観光客と言っても国や地域によって文化が違うので、日本についての疑問や不安は異なります。日本人観光客が「中国のAホテルはサービスも良くておすすめだよ!」と写真付きで口コミをしていたら安心感を得られますよね。Ctripは日本への観光を考えている中国人に情報を発信しています。
東京グルメリストを発表!日本の魅力を中国に発信
Ctripは2018年9月に「東京グルメリスト」を開催しました。東京のグルメの魅力を中国人観光客に認知してもらうことを目的としており、東京のレストランを3段階の星で評価をしています。
中国人の特徴として、海外旅行でも母国の中華料理を求める傾向があります。このような嗜好を踏まえた上で、伝統ある日本食や風情あるお店を体験してもらうことを提案するのです。
最近では、訪日中国人観光客の約9割が「日本食を食べたい!」と、日本の文化に触れる機会が増えているのです。
また、Ctripは2017年頃からグルメサイト「ぐるなび」と提携を結び、多言語翻訳機能を導入しました。これによって訪日外国人からの予約と事前決済サービスを受け付けるようになり、訪日外国人観光客の集客に成功しています。
事前決済をすることで、訪日外国人観光客の「連絡無しでキャンセル」を防止できます。飲食店にとって、連絡無しの予約キャンセルは売り上げに関わってくるので、とても頭を抱える問題でした。
三井住友銀行と銀聯が提携
Ctripは2018年6月から、日本の3大メガバンクを担う三井住友銀行と中国の銀行間決済ネットワークシステムを開発している銀聯を結び付け、両者が協力するカタチで「Trip.comクレジットカード」を発行しました。
Trip.comクレジットカードを利用すると、ホテル予約代金などが割引されます。また、Ctripが季節ごとに実施する割引セールを通常会員よりも早い段階で利用することができます。海外旅行だけではなく、出張が多い方におすすめのクレジットカードです。
Ctripがインバウンド対策ができるのか?
全世界で3億人の会員数を誇るCtripは、訪日外国人観光客を増やす鍵になるのでしょうか?Ctripとインバウンド対策の効果について解説します。
訪日外国人観光客の中で中国人が1位を占める
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2018年の訪日外国人観光客数は約3,119万人でした。2017年が約2,869万人なので、8.7%増加している計算になります。
注目すべき点は国別の訪日外国人観光客数です。2018年に日本に訪れた外国人の中ではアジア圏からの観光客が8割を締めており、その中でも中国が約838万人とダントツでトップなのです。
また、政府が掲げる「2020年までに訪日外国人観光客4000万人」達成のために、宿泊施設や小売店、自治体が力を上げてインバウンド対策をしていることから、今度更に増加が見込まれます。
つまり、訪日中国人観光客を獲得することがインバウンド対策の本質と言っても過言ではありません。日本と中国の橋渡しをしてくれる存在がCtripなのです。
大阪観光局がCtripと提携
2017年9月、Ctripは大阪観光局と提携を結び、大阪の魅力を発信していくと発表しました。Ctripに大阪観光の特集が掲載され、大阪市内のバスや地下鉄が1日乗り放題になる「大阪周遊パス」も発行しています。
自治体も日本の魅力を日本人に伝えるのではなく、日本の魅力を海外の人に伝える活動をしていることがわかりました。
自治体と企業が繋がることによって、文化とイノベーションが相乗効果を起こし、新たな魅力が生まれることに期待されています。グローバル化が進む現代で、Ctripは日本の強い味方になるでしょう。
3億人の会員数を誇るCtripでインバウンド対策
世界最大級のオンライン旅行サイトであるCtripは、ユーザビリティの高さが人気を集め、全世界で3億人の会員数を獲得しています。Ctripだけが実現できる破格の割引セールや、飛行機や鉄道の搭乗券の手配など、魅力がたくさんありました。
日本の宿泊施設を紹介するページでは、中国人観光客のリアルな口コミや評価、おすすめの日本食などが記載されており、今では「日本に行ったら日本食を堪能したい!」と語る中国人も増えてきました。
2020年の東京五輪までに4000万人以上の訪日外国人観光客を目標に掲げている政府ですが、賢い宿泊施設や小売店は、全体の8割を占めるアジア圏の外国人をターゲットに、集客を実践するでしょう。