翻訳トライアルとは一言でいうと、”プロの翻訳会社がお試しで翻訳し、品質を確認出来る”サービスです。
「初めて翻訳依頼するけど失敗したくない」「翻訳会社はどうやって選べばいいの」と悩んでいる方に向けて、翻訳トライアルの注意点や失敗しない依頼方法をご紹介します。
翻訳トライアルの仕組みについて
翻訳トライアルは、依頼者から翻訳会社に少量の文章を実際に翻訳してもらい、翻訳の質を見た後、正式に依頼ができるというサービスになっています。
依頼する前に翻訳品質を確認できるので安心ですよね。
ただ、翻訳トライアルの質や料金だけで選ぶことは危険です。
翻訳会社によって、値段や納期スピードなどが違い、翻訳会社は100人を超える大規模の翻訳会社から個人事業主まで数多く存在します。
正式に依頼をする前に注意点や選び方のポイントを見ていきましょう。
翻訳トライアルを依頼する前に
翻訳トライアルを依頼する前に以下の5つをチェックしてみてください。
ポイント1.得意言語は何か
ポイント2.依頼する文章の分野・業界に対応できるか
ポイント3.問い合わせに対してのレスポンスはどうか
ポイント4.チェック体制は整っているか
ポイント5.守秘義務や個人情報の取り扱いはどうか
ポイント1.得意言語は何か
外国語は、「英語」「中国語」「韓国語」「ベトナム語」「フランス語」「タイ語」など様々な言語があります。
まずは自身が翻訳したい言語が得意なのか確認しましょう。
確認方法としては、翻訳会社の過去の翻訳実績や、お客様の声(レビュー)が掲載されている場合はチェックしてみてください。
ポイント2.依頼する文章の分野・業界に対応できるか
当然ながら翻訳会社によっては、翻訳の得意分野・業界があります。
小規模な会社の場合、翻訳分野を絞っていることが多く、会社の規模が大きくなればなるほど幅広く対応していることが多いです。
そのため、翻訳を依頼する際に自身が翻訳したい文章の分野・業界を詳しく説明し、対応可能かどうか聞いてみると良いですね。
ポイント3.問い合わせに対してのレスポンスはどうだったか
翻訳トライアルを依頼する際に一度、問い合わせなどの連絡をしているかと思いますが、回答の早さや、問い合わせ内容に対して的確な回答をもらえているかどうかを確認してみてください。
レスポンスが悪いと、実際に翻訳を依頼した際も、納期が遅れる可能性があります。
メールや問い合わせフォームだけでなく、実際に電話で対応の雰囲気を把握してみても良いですね。
ポイント4.チェック体制は整っているか
通常、翻訳会社には翻訳品質を保つため、チェック体制が整備されています。
チェック体制というのは、翻訳した文章を納品する前に、会社内で以下の工程を踏むことを言います。
- 翻訳者が一次翻訳する
- 他の翻訳者がダブルチェックする
- 仕上げとして校正・リライトを行う
また、ネイティブチェックをしているかどうかもチェックしてください。
ネイティブチェックというのは、翻訳言語を母語としている方に実際に見てもらい不備がないか確認してもらうことです。
ネイティブチェックは、料金内で行われる翻訳会社とオプションで依頼する必要がある翻訳会社と両方あるので確認してみてください。
ポイント5.守秘義務や個人情報の取り扱いはどうか
翻訳を依頼する以前の問題ではありますが、秘密保持や個人情報の取り扱いに担当者に聞いてみてください。
法務文書や企業秘密に関わる文書の場合、会社の存亡にも関わりますので、初歩的ではありますがとても重要になります。
法的な部分もしっかりしている会社であれば、翻訳の品質水準も安心できますよね。
翻訳トライアルを依頼する際の注意点
ある程度依頼したい翻訳会社を絞ることができたと思います。
翻訳の質をチェックするために翻訳トライアルを依頼することも重要です。
翻訳トライアルを依頼する際の注意点は以下の3つです
注意点1.トライアルの時だけ別の翻訳者を使用している
注意点2.翻訳のブラックボックス化が起きる
注意点3.翻訳の質だけでなく、長期的に見て判断する
注意点1.トライアルの時だけ別の翻訳者を使用している
翻訳会社によっては、依頼者からのトライアルに合格するために、トライアルの時だけ違う翻訳者を使用し、品質をアピールする場合があるということです。
実際に起きた事例もありますので、気を付ける必要があります。
依頼確定後の納品品質を確認すれば分かることが多いですが、納品された後では遅いですよね。
トライアルの悪用を防ぐためには、翻訳会社にトライアルで翻訳してくれる翻訳者は実際の仕事を依頼する時の翻訳者と一緒かどうかを確認するだけでも予防になります。
翻訳会社によっては、登録している翻訳者の経歴や過去の実績を公開してくれるところもありますので確認してみてください。
注意点2.翻訳のブラックボックス化が起きる
翻訳ができないため翻訳を依頼するケースが多いと思いますが、翻訳された文章が正確かどうかは翻訳者にしか分かりません。
例えば、契約や訴訟などの法務文書では少しでも相手に伝わるニュアンスが間違っているだけで企業の存亡に関わる可能性があります。
翻訳会社との信頼関係にもよりますが、少しでも不安な場合は、他の翻訳会社やプロの翻訳者に確認してもらうことも大切です。
注意点3.翻訳の質だけでなく、長期的に見て判断する
トライアル翻訳の文書の質が高ければ依頼しようという安易な考えは少し危険です。
納期の早さや翻訳の進め方、品質管理の仕組みを含めたトータルバランスで判断するようにしましょう。
最終的には、継続的なフォローをしてくれるかどうかはきわめて重要です。同じ翻訳者のチームが同一案件を継続して担当してくれることが理想ですね。
翻訳料金の相場について
最後に翻訳会社に依頼する際の料金相場を見ていきましょう。
翻訳会社に初めて翻訳を依頼する場合の翻訳料金相場を「一般社団法人 日本翻訳連盟」が公開しています。
英日・日英翻訳の場合(単位:英日の場合は原文の英語 1 ワードあたり、日英は和文原稿の1文字あたりの価格)
文書の種類/分野 英日翻訳:英文→和訳(税別) 日英翻訳:和文→英訳(税別) コンピューターマニュアル 28円 20円 一般科学・工業技術 28円 21円 金融 30円 25円 経営管理・財務・契約書 30円 25円 医学・医療・薬学 35円 30円 特許明細書 26円 30円 ※上記は、一般的な実例の平均値を分野ごとに示した翻訳料金の目安です。
※専門性、難易度、翻訳量、納期、原文・訳文のデータフォーマットや処理の種類と程度、そして品質レベルなどによって大幅に異なります。また当然ですが、翻訳会社など受注側の価格方針などによっても差が生じます。
引用元:一般社団法人 日本翻訳連盟(https://www.jtf.jp/jp/useful/report_bk/price.html)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
翻訳トライアルの注意点や選び方を紹介しましたが、結論としては、安ければいいという安易な考えで選ばずにトータルバランスで依頼するべきです。
翻訳者をどのように管理しているのか、自身の翻訳文書に合っている会社なのか、最終的には、長期的に見て信頼関係が築ける翻訳会社に依頼することが大切ですね。