Google翻訳やBing翻訳などの翻訳サービスはAIの進化によって飛躍的に精度が高まっています。
しかし、「AI翻訳の精度をどこまで信じていいものなのか」「もう翻訳会社に依頼する必要ってないの?」と疑問に思う方も多いですよね。
今回は、AI翻訳の現状から未来を考察し、翻訳会社の違いを解説します。その上でオススメの翻訳サービスや翻訳会社をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
AI翻訳とは
AI(人口知能)
言語の理解や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピューターに行わせる技術
AIとは、「artificial intelligence」の頭文字を取った言葉で、これまで人間にしかできなかった知的行為をアルゴリズム(手順)やデータ(事前情報・知識)を準備し、コンピュータを用いて人工的に実現しようとする技術です。
コンピュータに翻訳についての法則や知識、ルールを学習させ、適切な翻訳結果を導き出せるようにするのです。
このAIの技術を翻訳に活かすためにグーグル社やマイクロソフト社などの企業が導入しています。
AI翻訳の現状について
現在のAI翻訳アプリやウェアラブル翻訳機は、旅行や短文などのちょっとした翻訳であれば非常に精度が高く信頼できるものが多いですよね。
それには、第3次AIブームを引き起こしたディープランニング(深層学習)の登場が大きく関係しています。
今までは、人間が特徴や着眼点を指定し、そのデータから法則や関連性を見出し、判断していましたが、ディープランニングでは、AIが自ら学習し判断します。
学習を繰り返すことで、より複雑な判断が可能となり、現在の翻訳アプリやウェアラブル翻訳のような精度が高い翻訳が可能になりました。
おすすめAI翻訳サービス3選
実用性の高いAI翻訳サービスをまとめてみました。
- Google翻訳(サイト・アプリ)
- Bing翻訳(サイト・アプリ)
- VoiceTra(アプリ)
Google翻訳(サイト・アプリ)
無料or有料 | 無料 有料:1,000,000文字につき20ドル |
対応言語 | 103言語(英語、中国語、韓国語有) |
翻訳スピード | ★★★★★ |
翻訳品質 | ★★★★★ |
Google翻訳は、2016年よりAIを導入し、翻訳精度が飛躍的に向上しました。
現在(※2019年10月)では、103言語の翻訳に対応しており、サイトとアプリにも対応し、無料で誰でも気軽に使うことができます。
Bing翻訳(サイト・アプリ)
無料or有料 | 無料 |
対応言語 | 61言語(英語、中国語、韓国語有) |
翻訳スピード | ★★★★★ |
翻訳品質 | ★★★★★ |
Bing翻訳はマイクロソフト社が提供している翻訳サービスです。
Bing翻訳もGoogle翻訳同様2016年より、ニュートラルネットワークベースを採用し、翻訳精度を高めています。
発音音声では、男性と女性の声どちらか選択することが可能です。よりリアルなヒアリングが可能です。
VoiceTra(アプリ)
無料or有料 | 無料 |
対応言語 | 31言語(英語、中国語、韓国語有) |
翻訳スピード | ★★★★★ |
翻訳品質 | ★★★★★ |
VoiceTraは、情報通信研究機構(NICT)が開発したGoogleのようなクラウドサービスを使わない独自の多言語音声翻訳アプリです。
音声認識処理にディープラーニングを導入し、31言語の文字翻訳と23言語は音声入力、そのうち17言語の音声出力に対応しています。
翻訳方向を瞬時に切り替えることもできるので、1台の端末だけで、自分と外国人の二人で会話をすることが可能です。
AI翻訳と翻訳会社との違い・使い分け方
じゃあこれからはAI翻訳アプリで全て翻訳しても問題なさそうだね
いえ、そうではありません。
技術が向上し、精度が高い翻訳ができると言っても、まだ完璧とは言えないのが現状です。
日常会話レベルの簡単な文章の翻訳であれば翻訳アプリで十分ですが、日本語の独特のニュアンスを含む文章や論文や契約書など長文で書き手の想いをきちんと伝えたい場合は、人力で翻訳することをおすすめします。
機械翻訳よりもコストが高くなってはしまいますが、実用的な翻訳を求めている場合はプロの翻訳会社に依頼することも検討してみましょう。
おすすめ翻訳会社3選
翻訳精度の高いおすすめ翻訳会社をまとめてみました。
- クリムゾンインタラクティブ・ジャパン
- JOHO
- エディエージ
クリムゾンインタラクティブ・ジャパン
対応言語 | 50言語以上 |
翻訳料金 | 11円〜33円(1単語あたり) |
納品スピード | 1〜10営業日 |
公式HP | https://www.crimsonjapan.co.jp |
クリムゾンインタラクティブ・ジャパンは、医薬の研究開発、治験、審査申請文書、学術論文などをメインにサービスを提供している翻訳会社です。
翻訳品質のを維持するためのシステムや取り組みが評価され、国際規格である「ISO17100:2015」を取得しています。
品質を重視しているからこそ、仕上げには複数の翻訳者による何重ものチェック体制があります。信頼性の高い会社と言えますね。
JOHO
対応言語 | 25言語以上 |
翻訳料金 | 1,000円〜1,800円(日本語100文字あたり) |
納品スピード | 1〜3営業日 |
公式HP | https://www.joho-translation.com/ |
JOHOは、一般文書から専門文書まで、あらゆる分野の翻訳が可能な翻訳会社です。
なかでも、特許翻訳サービスに特化しており、海外で出願した特許の明細書等を翻訳し、提携の弁理士事務所と連携して国内特許出願を行うことができます。
エディエージ
対応言語 | 2言語(日本語・英語) |
翻訳料金 | 5円〜(1単語あたり) |
納品スピード | 1~5営業日 お急ぎ原稿は8.5時間以内に納品可能 |
公式HP | https://www.editage.jp/ |
エディエージは、学術論文の校正をメインとした会社です。
エディテージの英文校正者は、博士号・修士号取得者、医師、生命科学分野の英文校正の国家資格であるBELS認定取得者、学術論文出版の経験者など、学術論文校正のプロが在籍しています。
そのため品質も高く、研究者や学校関係の方にはおすすめです。
AI翻訳の未来
ディープランニングにより、これからAIはさらに進化を続けていくことでしょう。
AIは活用すればするほど、学習し進化します。そうすれば、人間の負担を軽減し、翻訳においてもどんどん効率的になると予想できます。
しかし、AI翻訳に依存して全てを機械頼りにしてしまうことで、コミュニケーションや外国語を学ぶ機会を失うことにも繋がります。
現状のAI翻訳技術を理解し、適切に上手く使いこなすことが重要です。