お得に買物ができる!免税制度デューティーフリーとは?タックスフリーとの違いも解説

訪日外国人のインバウンド消費は、年々増加傾向にあります。インバウンド消費の内訳を見てみると、もっとも多くを「買い物代」が占めています。その中でも注目されているのが「免税店」です。

大量の商品をお買い得に購入できるとあって、訪日観光客は、旅行前にインターネットなどを通して、「どの店であれば、よりお得に購入できるのか」などの情報を収集しています。

免税の仕組みは、主に「デューティーフリー」と「タックスフリー」の二つに分類されます。それぞれ同じようなものと認識している方も多いかもしれませんが、実は両者はまったく異なる免税制度です。

この記事では、訪日観光客をターゲットとするビジネスを行う際や、海外旅行に行く上で知っておきたい「免税制度」の仕組みを詳しく紹介します。デューティーフリーとタックスフリーの概要や、それぞれの違いを解説していますので、両者を混同してしまっているという方は、ぜひ参考にしてください。

訪日観光客必見、日本国内でかかる税金の基礎知識

日本国内では、あらゆる経済活動に対して、所得税や資産課税、消費課税などの税金が課せられます。このうち、訪日観光客に関わりのある税金が、商品を購入したりサービスを利用したりする際にかかる、消費課税です。日本国内で旅行をする場合、具体的には、以下のような税金がかかります。

  • 消費税
  • 酒税
  • 入湯税
  • 関税

では、それぞれのおおまかな内容を見てみましょう。

消費税

消費税は、商品の販売やサービスの提供に対して課せられる税金です。2019年時点の税率は10%となっていますが、一定の条件下においては8%の軽減税率が適用され、飲食物を店内のイートインスペースで食べた場合は10%、テイクアウトで店の外に持ち出す場合は8%といった仕組みとなっています。消費税は、日本を訪れた外国人観光客であっても同様に課せられる税金です。

酒税

日本酒や焼酎など、日本国内で製造されるお酒は、外国人のお土産として非常に根強い人気を誇ります。これらのお酒には基本的に、酒税が課せられます。酒税はアルコールが1%以上の飲料水にかかる税金で、お酒の種類やアルコール度数によって課税額が変動する仕組みです。

入湯税

入湯税は、銭湯などの温泉施設の利用料に課せられる税金です。宿泊代金などに含まれているため、普段気に留めることは少ないかもしれません。

関税

関税とは、国境や特定の地域を超える荷物に課せられる税金です。海外から品物を輸入する際にかかる手数料のようなものをイメージすると、分かりやすいでしょう。

食料品などは国によって物価が異なるため、同じものでも、日本と比較してかなり安価なこともあります。関税はそれらが大量に輸入されて、国内の産業に影響が出ないようにするという目的で実施されている税制度です。訪日観光客が日本を訪れ、海外製の商品を買った場合にも、関税は適用されます。

デューティーフリーとは何か?

デューティーフリーとは、上記で解説した消費税や関税、酒税などのさまざまな税金が免除される仕組みです。

デューティーは日本語で関税を意味しますが、関税以外の税金も対象となります。このあたりが少々込み入っているため、正確に理解できていない人も多いでしょう。デューティーフリーは、「空港型免税店」と呼ばれる対象の店舗で、商品を購入した場合に適用されます。

デューティーフリーとはどんな仕組み?

「海外旅行でブランド品を買うとお得」といったイメージをお持ちの方もいるでしょう。実際に支払う金額は、日本国内よりも海外の店舗で購入した方が、安くなることが多々あります。これは、デューティーフリーが適用されて、税金分を支払う必要がなくなったため、結果として総支払額が安くなるという仕組みなのです。

ただし税金が免除されるのは、厳密にいうと海外に行ったからではありません。実はデューティーフリーショップは、空港で出国手続きをした後のスペースにのみ存在し、その空間は「出国手続き済み」であるため、日本ではないと見なされるのです。

そのため、日本の税制である消費税や酒税、関税は適用されません。そのため、免税の流れを正確にいうと、「出国手続きを行ったあとの空港内には、デューティーフリーのお店があり、そこでの買い物であれば税金がかからない」というわけです。

デューティーフリーにはさまざまな決め事があり、遵守しなければなりません。例えば、購入した品物はそのまま海外へ持っていく必要があります。お酒を購入し、その場で開栓して飲むといったことは禁止されています。

デューティーフリーショップはどこにある?

デューティーフリーが適用されるお店は、国際空港の出国エリアにあります。日本国内では、成田空港や羽田空港、関西国際空港などに存在します。

空港以外でも免税が受けられる、空港型市中免税店とは?

出典:https://japandutyfree-ginza.jp/

デューティーフリーは、国際空港の出国エリアに存在する店舗で適用されると解説しました。しかしこれは、旅行者にとって非常に不便な状況でもあります。例えば早朝の便で帰国する場合、ゆっくりと買い物を楽しむことができません。訪日観光客の数が増え、インバウンド消費も右肩上がりの中、せっかくの買い物のチャンスを活かせないのは機会損失であると言えるでしょう。

このような課題を解決するために近年登場し、注目を集めているのが、「空港型市中免税店」です。これは、空港ではなく街中にある百貨店などの店舗で、空港型免税店と同様に、デューティーフリーで免税が受けられるというものです。

新宿の「タカシマヤタイムズスクエア」や、銀座三越内の「Japan Duty Free GINZA」など、東京都内を中心に、訪日観光客に人気の街で展開されています。

空港型市中免税店が存在するのは当然日本国内ですが、店内での買い物は、日本国外で行われたと見なされ、免税が適用されます。帰国予定の外国人はもちろん、海外に行く予定のある日本人も対象とされます。ただし、免税を受けるためには、さまざまな条件をクリアしなければなりません。

まず買い物には、パスポートと国際線の搭乗券が必須です。当条件は1ヶ月前から買い物の前日までと期間が定められています。また購入した商品をその場で受け取ったり、開封して国内で使ったりすることはできません。

商品はすべて、店舗から空港へと輸送されます。購入者は出発する空港と日時を購入時に申告しておき、出発当日に受け取ります。これは業者による大量購入・転売を防ぐ目的があると言われています。

この仕組みは、訪日観光客にとって大きなメリットがあります。街中でサイズの大きな買い物をした場合、荷物を持ち運ばなければならなくなりますが、空港に直接運ばれるので、このような手間が省けます。訪日観光客は、手間を気にせず自由に買い物ができるようになり、結果としてインバウンド消費を後押しする形となっているのです。

沖縄型特定免税店とは?

沖縄県には、非常に珍しい免税の制度が存在します。沖縄振興特別措置法という法律に基づいた仕組みで、「沖縄型特定免税店」と呼ばれています。これは沖縄県の外のエリアで行く人を対象としており、購入した商品の関税が免除されます。日本人はもちろん、訪日観光客も対象となります。

デューティーフリーとよく似た制度、タックスフリーとは?

デューティーフリーとよく似た税制度に、「タックスフリー」があります。これは、消費税を免除する制度です。「Tax」という単語そのものが税金を意味するため、あらゆる税金に適用されると誤解されがちですが、あくまで消費税のみが免除の対象となります。

タックスフリーに対応している店舗は、「市中免税店」や「タックスフリーショップ」と呼ばれます。訪日観光客の数が年々右肩上がりに増加するにつれ、市中免税店の数も増えました。2012年時点ではおよそ4,000店舗しかなかった市中免税店ですが、2017年には4万店にまで急増しています。たった5年で10倍にまで拡大しているのです。

ドラッグストアなどで「免税」「TAX FREE」という表記を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。市中免税店の代表的な例としては、ディスカウントストアのドン・キホーテや、ドラッグストアのマツモトキヨシなどが挙げられます。

タックスフリー適用の条件とは

タックスフリーは、日本の外へ持ち出す商品に適用されるという前提条件があり、土産物や日用品が主に購入されます。消費税の免税は、日本に居住していない人、かつ日本に滞在している期間が6ヶ月以内の人が対象となります。

一つの店舗での購入金額が5,000円以上、50万円以下といった金額の条件も設けられています。タックスフリーは物品にのみ適用される制度であるため、国内のサービスを利用した際の料金などでは、免税を受けることはできません。また輸出ビジネスを目的として大量に商品を仕入れるといった場合も、条件外となります。

タックスフリーショップでの購入の流れ

タックスフリーの商品を購入する流れは、少々複雑です。通常の買い物のように、商品をレジに持っていってお金を払うだけではなく、さまざまな手続きを踏む必要があります。

まずはレジでパスポートを見せ、旅行客であることを証明します。店舗側はそれを確認したのち、輸出免税物品購入記録表を作成し、顧客に誓約書を書いてもらいます。

顧客はその後、輸出免税物品購入記録票を受け取って、パスポートに添付します。この手順を終えたら、ようやく代金の支払いになります。ただし、代金の支払い後、購入した商品を直ちに使用することはできません。

専用の袋に入れられ、開封済みかどうかが判別されるシールで密封されます。この商品は、国外に持ち出されるまで開封できません。また商品は購入後30日以内に海外へ輸送されなければならないといった、厳格なルールも定められています。

2種類のタックスフリーショップ

タックスフリーショップは、主に2種類に分類されます。一つは「一般型」と呼ばれる形態で、タックスフリーが適用される独立した店舗を指します。

もう一つが「手続き委任型」と呼ばれる形態です。具体的には大型のショッピングモールなど、複数の店舗が同じ敷地内に存在するような場合、免税手続き専用のカウンターを設けていることがあります。この専用カウンターがあれば、各店舗で購入した商品すべてをまとめて、免税を受けることができます。

それぞれの店舗での購入金額が少額であっても、合計金額が条件を満たしていれば、すべての商品が免税対象となるのです。

デューティーフリーとタックスフリーの違いをまとめました

最後に、デューティーフリーとタックスフリーの違いをまとめて確認しましょう。そもそも店舗の設置場所に違いがあります。デューティーフリーは、基本的には国際空港の出国エリアにのみ存在し、一部空港型市中免税店として、都心部に存在しています。一方タックスフリーは、身の回りのドラッグストアや家電量販店などにあります。

免税となる税金の種類がもっとも大きな違いと言えるでしょう。デューティーフリーは、消費税、関税、酒税に適用されますが、タックスフリーは消費税のみとなっています。

免税店を利用する際に気をつけるべきこと

日本人が海外旅行に行った際に、免税店を利用することもあるでしょう。その場合は以下の点に注意してください。

液体の扱いに注意

空港の免税店で液体を購入した場合であれば、機内に持ち込むことは可能となりますが、複数の便を乗り継いで帰国するなどの際は、保安検査を受けることになります。一定以上の量の液体を持っている場合は、この検査の段階で、没収となってしまうこともあります。特に化粧品や香水などは、お土産としても人気ですが、盲点となりやすいので、気をつけておくとよいでしょう。

購入金額の条件がある

免税を受けるためには、最低購入金額などのさまざまな条件があります。安くなるからという部分に着目しすぎてしまうと、散財してしまうこともありますので、気をつけましょう。

免税制度を理解して、賢く買い物をしましょう

この記事では、デューティーフリーとタックスフリーの違いについて解説しました。インバウンド消費の後押しをする免税制度ですが、海外旅行に行く日本人にとっても、知っておくべき知識であると言えます。免税の仕組みを正しく理解することで、お得に賢く買い物を楽しみましょう。