近年は、海外旅行の低価格化や外国人旅行者の増加、インターネット環境の普及で国内外において外国語を使う機会が増加しています。そこでGoogle翻訳を利用したことのある方は多いのではないでしょうか。
以前は精度が低いという言葉がネット上にも散見されていましたが、2016年後半から現在にかけてGoogle翻訳の精度が向上しているという検証結果をご存知でしょうか。そこで今回はGoogle翻訳の精度をあげるための4つの方法をご紹介し、さらに既存の他サービスとの比較を行っていきます。
Google翻訳とは
Google翻訳は、Googleが2006年に提供を開始した翻訳サービスです。Webブラウザ版とアプリ版があり、入力されたテキストや音声、Webページ全体を他言語へ翻訳するサービスです。
インターネットの普及に伴い、世界はフラットになりいつでもどこでもオンライン上で人々はコミュニケーションを取れるようになりました。そんな時に多くの人にとって足枷となるのが「言葉の壁」です。そんなコミュニケーションを補完的に支えるサービスがGoogle翻訳です。
https://translate.google.com/
Google翻訳の機能
それでは、実際に翻訳アプリに搭載されている機能についてご紹介していきましょう。Google翻訳は、インターネット環境のある場所であれば、PCやタブレット、スマホと媒体を問わず利用可能な翻訳サイトで、スタイリッシュで機能的なインターフェイスが特徴です。またオフライン環境でも事前に登録しておくことで、翻訳機能を利用することが可能です。主にGoogle翻訳には以下の3つの翻訳機能があります。
- テキスト入力
- 音声入力
- WebページのURL入力
テキスト入力では、皆さんが通常検索エンジンに文字を入力する・メールで文章を入力する感覚で、Google翻訳ページ上でテキストを入力することで、即座に他言語へ翻訳されます。
音声入力では、皆さんが人に話しかける感覚で、Google翻訳ページ上で発言した声を聞き取り翻訳しテキスト化してくれます。
WebページのURL入力では、WebページのURLを入力することでサイト上全ての言葉を望む言語に翻訳してくれます。
またアプリ版ではそれらに加え、カメラで読み取った言語を即座に翻訳したり、会話から翻訳する機能など、新たな機能も次々にリリースされています。世界的な企業Googleが提供しているサービスということもあり、今後も技術的な進化が期待できるサービスになっています。
Google翻訳の精度
以前のGoogle翻訳では、意図が通らない言葉の羅列になってしまったり、不自然に翻訳されることが頻繁に起きていました。しかし冒頭で触れたように、近年のGoogle翻訳の精度は2016年後半以降から格段に向上してきています。
以前まで翻訳に活用されていたシステムは、「PBMT」と呼ばれるフレーズベース翻訳システムで、これは膨大な言語モデルや翻訳モデルのデータベースを元に翻訳されています。しかしこれは意図が通らない言葉に翻訳されたり、不自然な言葉に翻訳されることが往々にしてありました。
そこでそれらを改善するために2017年に導入されたのが、「GNMT」と呼ばれるニュートラルネットワークを活用した翻訳システムです。このシステムによって多様で複雑な言葉であっても自然に処理されるようになりました。結果として、単語の意味はもちろんのこと、語幹や単語の位置なども、より細かく分析し自然な言葉へ翻訳することを実現し精度の向上に寄与しました。
しかし現在も話し言葉レベルでは違和感が残るという声も散見されているのが事実です。
そこで今回の記事では実際に、Google翻訳でより翻訳の精度を上げ効果的に活用する方法をご紹介していきます。
精度を上げる方法
Google翻訳上で翻訳の精度を上げることによって、微妙なニュアンスの言葉であっても明確に意思の疎通が測れるようになります。他言語のコミュニケーションやビジネスの際に微妙なニュアンスの違いによって、意思の疎通が取れないことは人間関係や金銭的なトラブルの要因になることもありますので、以下を実践して明確なコミュニケーションが測れるようにしていきましょう。ポイントは「Google翻訳に好まれる文章」に修正を加え入力することです。
ポイント1 主語や述語、目的語を省略しない
日本語でコミュニケーションを取る際には、主語や述語、目的語などがなくても意味が通じる場合が往々にしてあります。その場の雰囲気やテキスト上前後の流れによっては、省略した方がコミュニケーションがスムーズに行えますよね。
しかしウェブ翻訳の場合、翻訳はあくまで機械ですので、その雰囲気や前後の流れを理解することは基本的に不可能です。システムが変更された現在のGoogle翻訳では、そのニュアンスを汲み取って翻訳してくれることも増えましたがより精度を高めるという意味では、主語や述語、目的語を省略せずに入力することが重要になってきます。
ポイント2 シンプルに
特に日本人はコミュニケーションを取る際に、曖昧な言葉や抽象的な言葉を多用する傾向が強いと言われています。それは日本の文化であり良さでもあるかもしれません。しかしGoogle翻訳を使う際は、明確な言葉や具体的な言葉を使いましょう。
この点をぼかして入力すると不自然な翻訳結果に直結する場合が多く見られます。必要以上の副詞や修飾語を避け、シンプルな言葉を使うようにすることで正確な翻訳につながります。
ポイント3 漢字を使う
日本語というのは非常に複雑で同じ言葉であっても、ひらがなやカタカナ、漢字によってニュアンスが変わってきますね。Google翻訳ではこのような微妙なニュアンスを選定することを比較的苦手とする場合が多いです。漢字に変換することのできる言葉は極力漢字に変換して、入力することで正確に翻訳してくれます。
ポイント4 繰り返し翻訳をかける
基本的に翻訳する場合は、日本語から英語、または英語から日本語へと翻訳する場合が多いでしょう。そこで一度翻訳した英語や日本語を再度翻訳してみましょう。例えば日本語→英語→日本語、または英語→日本語→英語といったイメージです。最初の文章と最後の文章を比べてニュアンスに差異がなくれば、概ね正確に翻訳できていると捉えることができるでしょう。
類似サービスとの比較
Google翻訳の精度をあげるポイントを解説したところで、次は類似性のある他のウェブサービスとGoogle翻訳の違いをみていきましょう。
結論としては
- Google翻訳→バランスの良さ、インターフェイスの利便性、今後の成長
- エキサイト翻訳→論文などの専門性の高い文章
- Weblio→翻訳の精度
という印象です。
エキサイト翻訳
こちらは長い歴史のある翻訳サイトですが、翻訳機能としてはかなり不自然な表現になる傾向が強い印象です。インターフェイスは主要な言語が隣り合わせで並べられているので言語の頻繁に変更するユーザーにとっては利便性が高いでしょう。
しかし翻訳するワードのジャンル(理学系・農林水産系・工学系など)を選択してから翻訳できるので、ジャンルによっては精度が増すので、特に海外の論文翻訳や説明書などジャンルが絞られている文章であれば強みを発揮します。総じて歴史はありますが、使用しているシステムが古くGoogle翻訳と比べると翻訳の精度という面ではかなり落ちる印象です。しかし特定のジャンルに絞っての検索であればお勧めできるでしょう。
https://www.excite.co.jp/world/
Weblio
こちらは国内最大級の翻訳サイトでデータベースの豊富さが強みで、英語の音声再生機能や再翻訳機能などがあり、翻訳の精度は最も高い印象です。また翻訳結果が複数表示される場合もあり、その中から選択できるので翻訳の制度という面ではGoogle翻訳をも凌ぐでしょう。翻訳の精度で選びたい方は最もお勧めできるサイトになります。
https://ejje.weblio.jp/
まとめ
今回の記事では、Google翻訳の機能や精度、精度を上げる方法、他サイトとの比較についてご紹介してきました。
Google翻訳を活用する場合は、
- 主語や述語、目的語を省略しない
- シンプルに
- 漢字を使う
- 繰り返し翻訳をかける
この4つのポイントを心がけて翻訳することで精度の高い自然な文章になります。
また他サイトとの比較では、インターフェイスや今後の成長という面でバランスの取れたものであれば「Google翻訳」、論文など専門的なワードを使った翻訳では「エキサイト翻訳」、精度を求めるのであれば「Weblio」、という用途にあった活用をお勧めします。
しかしながら翻訳は主観的な見解やニュアンスが含まれるので一概には優劣をつけるのが難しいのも事実です。本格的な翻訳を求めるのであれば、意思のすり合わせが可能な翻訳会社に委託するという方法も1つです。今回の記事を参考に自身の用途に合わせ、自分に最適な翻訳サービスを選択できれば幸いです。