台湾は、訪日旅行客が多い国の一つです。歴史的な関わりもあるため、親日国としても知られています。日本との距離も近いこともあり、多くのリピーターが日本を訪れています。インバウンド消費を見込んで、台湾人旅行客をターゲットとしたビジネスを行っている企業も増えています。
この記事では、台湾人旅行客に向けたビジネス展開を考えている企業の方に向けて、台湾の基本的な情報や、インバウンド事情を紹介します。また台湾人にはどのようなお土産や観光地が有名なのか、具体的な例もあわせて解説します。
目次
台湾のインバウンド情報
まずは、インバウンド戦略に欠かせない「台湾のインバウンド情報」を紹介します。
日本を訪れる台湾人
日本政府観光局が行った調査によると、2018年の訪日外国人の数は3,119万人でした。そのうち台湾人の旅行者は475万人を記録しており、これは中国と韓国に次いで3番目に多い数となっています。
2012年時点の訪日台湾人は146万人だった頃から、年々増加傾向にあります。わずか6年の間で、3倍以上になっていることからも、日本旅行のニーズの高さが伺えます。
台湾は総人口あたりの訪日旅行者が多いのも特徴です。台湾の総人口は2,359万人であり、そのうちおよそ5人に1人が日本を訪れているという計算になります。
訪日台湾人のインバウンド市場の特徴
訪日台湾人のインバウンド市場には、以下のような特徴があります。
台湾は親日国として有名
台湾は世界的にみても「親日国」として知られています。かつて台湾は日本の統治下にあったという歴史的な背景も影響し、国内には日本の風土の名残が散見されます。特に年齢層の高い人達の中には、日本語をある程度理解できる人も多いようです。国内には日本風の家屋が並ぶ町並みも見られます。
若年層を中心に、日本のドラマやアニメ、ゲームがブームとなることもあり、日本の文化に対する興味関心も高いと言えるでしょう。
訪日客は4月から7月に多い
台湾人旅行客の数は一年を通して安定していますが、その中でも4月から7月は特に旅行者数が増加します。これは台湾の祝日や連休が影響しています。
4月には「清明節」と呼ばれる連休があり、家族でお墓参りなどを行います。日本でいうお盆と似た風習です。土日を合わせると大型連休となることがあります。7月頃になると、夏季休暇に入るため、家族旅行をする台湾人が増えてきます。また8月9月は一旦旅行者が減るものの、10月には再び増加します。10月には「国慶節」と呼ばれる建国記念日があり、それにあわせて大型連休がやってくるのです。
台湾人をターゲットとしたインバウンド消費を見込んでいるのであれは、このような事情も知っておくとよいでしょう。
リピーターが多い
台湾人の旅行客の最大の特徴は、「リピーターが多い」という点にあります。2018年に日本を訪れた台湾人のうち、リピーターの割合はおよそ82%という結果になっています。旅行客の8割以上が、日本を再訪しているのです。また6回以上来日している台湾人は28%もいることからも、リピーター率が高いことが分かるでしょう。
外食が一般的な台湾人
台湾では屋台の文化が根付いており、外食が一般的です。そのためグルメ嗜好の台湾人は多く、日本への旅行の際も、現地の有名な飲食店を巡ることもあるようです。ただし台湾は、お酒を飲む人はそれほどいません。また国民のおよそ1割がベジタリアンである点も特徴的です。
台湾人が注目する日本のモノ・コト
台湾人旅行客の国内インバウンド消費額は、5,800億円にも達すると言われています。これは、中国と韓国に次いで、三番目に多い金額になります。では、台湾人は、日本国内でどのようなモノやコトに興味関心があるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
台湾人にニーズがあるお土産
訪日台湾人にもっとも人気のあるお土産は「菓子・スイーツ」です。旅行客一人あたり平均して8,000円ほどお菓子やスイーツを購入していると言われています。特に「限定もの」にはニーズがあり、限られた季節や地域でしか買えないものが人気です。
また医薬品やコスメなども高い人気を誇ります。日本国内のタックスフリー店であれば、税金がかからず安価な値段で大量の医薬品や化粧品などを購入できるため、一年を通して、外国人旅行客からのニーズは絶えません。そのためドラッグストアは海外のSNSを通して積極的な情報発信を行っています。また健康グッズなどの商品も人気であり、訪日台湾人の3分の1が購入しています。
台湾人に人気のある有名タレント
台湾では日本のドラマが放送されることもあり、日本人の俳優やアイドル、お笑い芸人のファンも多いようです。特に台湾にゆかりのあるタレントの知名度は高く、台湾観光親善大使の経歴を持つ木村拓哉さんや長澤まさみさん、台湾映画への出演でブレイクしたディーン・フジオカさんなどが有名です。
ほかにも、台湾人と日本人のハーフであるお笑い芸人の渡辺直美さんや、台湾人の卓球選手である江宏傑さんと結婚した福原愛さんも広く知られています。
台湾人に人気のエリア
訪日台湾人が訪れるエリアは、一位が大阪府、二位が東京都、三位が千葉県となっています。関西地方は、USJなど人気スポットへの訪問はもちろん、京都の神社仏閣など古い日本の町並みを目当てにくる旅行客が多いようです。千葉県はディズニーランドやディズニーシーなどのテーマパークが人気です。
訪日台湾人はリピーターが多いのも特徴的でしたが、日本への訪問回数が増えるほど、次第に地方へと足を運ぶ旅行客が多くなるようです。台湾から地方の空港への飛行機も増えており、東北地方や北陸、九州へ足を運ぶ台湾人も見受けられます。
台湾に向けたインバウンド事業に必要なこと
訪日台湾人をターゲットとしたインバウンド事業に必要なことを解説します。
情報発信
インターネットを通した積極的な情報発信は欠かせません。台湾人は日常的にSNSを利用して、情報収集を行っています。特に旅行をする際は、事前に観光スポットや人気グルメの情報をリサーチしているため、SNSを活用したマーケティングができているかどうかは、インバウンド消費に大きく関わってきます。台湾では国民のほとんどがFacebookを利用しています。また若年層を中心にInstagramやYouTubeも普及しています。
専門的な企業に依頼する
海外に向けたマーケティングは、国内を対象とした場合よりも難易度が高くなります。国民性や社会背景を深く理解しなければなりませんし、言語の壁も立ちはだかります。
そこでおすすめなのが、海外向けのマーケティングに特化した専門業者に委託する方法です。SNSアカウントの取得から投稿文の作成まで、さまざまな業務を代行することができます。また企業に蓄積された運用のノウハウも活かせる点も大きなメリットとなるでしょう。
台湾人の国民性を理解して積極的な情報発信を行いましょう
この記事では、台湾のインバウンド事情について解説しました。台湾人が日本のどのような点に関心を持っているのか、その概要が理解いただけたのではないでしょうか。
積極的な情報発信を行うことで、口コミや宣伝効果も期待できます。リピーターの多い訪日台湾人を対象としたビジネスでは、多額のインバウンド消費も見込めるでしょう。台湾人が興味を持っているものを把握し、国民性を理解した上で、効果的な施策を行うことが重要です。
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