台湾人の公用語は何語?親日家だから日本語が話せるって本当?

台湾人は基本的に2か国語以上を話せるバイリンガルの人が多いです。これは歴史的なことも関係しており、地域や年代によって話せる言語は異なります。

近年訪日外国人観光客数は勢いを増し、2019年には3,188万人の人が日本を訪れています。その中でも中国、台湾、香港を中心に中華圏の人が全体の50%以上を占める市場になっているのです。そのためインバウンド対策には中華圏の人を集客することが課題となり、中でも台湾人は世界一訪日回数が多い国として集客には重要なカギとなっています。

しかし台湾人はどんな言葉を使っているのか知らない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は台湾人が使う言語について詳しく解説します。訪日台湾人を多く集客をしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

インバウンド対策をする場合、中国語というざっくりとした枠組みで考えてよいのか、
それとも中国語の中でも細かい分類が有り、それぞれ別々に対策したほうがよいのか等々。

中国語は「何種類あるの?」「どれが公用語?」


台湾人の公用語について解説する前に、まずは中国語の種類や標準語についてお話いたします。日本では中華圏の人が話す言葉は「中国語」「北京語」「上海語」「広東語」などをイメージする方も多いです。インバウンド対策として「どの言語を勉強すればいいのか」「どの言語を使って集客すればいいのだろう」と悩む方も多いのではないでしょうか。台湾で使われる言葉にも関連してくることなので、まずここから理解していきましょう。

中国語の種類

中国語には種類があると思っている人は多いと思いますが中国語は中国語の1種類のみで、「北京語」「上海語」「広東語」などはあくまでも方言になります。日本語も種類は1つだけですが、「標準語」「関西弁」「東北弁」「琉球語」などがあるのと同じです。

中国の公用語

多くの日本人は「中国の標準語=北京語」と認識している場合がありますが、実際には標準語は「普通話(プートンファ)」と呼ばれるものです。日本の首都は「東京」ですが「江戸弁」を標準語とせず、東京山の手の言葉をベースに「日本の標準語」が作られています。これと同じように中国の首都が「北京」なので北京の方言である「北京語」を標準語とせず、北京語をベースに作られた「普通話(プートンファ)」を用いているのです。

日本全国のテレビ局での報道や学校教育で標準語が使われるように、中国国内でも報道や教育場面で標準語(普通話/プートンファ)」が使用されています。そのため中国国内で「北京語」とは、北京訛りがある普通話(プートンファ)のことを指しているので、「標準語=北京語」という言い方はしません。この普通語と北京語は文語では全く同じであるものの、発音やイントネーションに違いがあることから北京の方言となっています。

中国語を英語で表す

ちなみに北京語や広東語などの言語と合わせて「マンダリン」という言葉も、1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。「マンダリン」とは中国語の方言の種類ではなく、英語で「中国の標準語」のことを「Mandarin(マンダリン)」と呼びます。中国語を意味する「Chinese(チャイニーズ)」もありますが、この場合は標準語の「普通話(プートンファ)」と「方言」を全て含めた中国語を指しているのです。

≪この項目のまとめ≫
●中国語は1種類のみ
●中国の標準語は「北京語」ではなく「普通話(プートンファ)」
●標準語は首都北京で使用される北京語をベースに作られているが、中国語で「北京語」は方言の意味になる
●テレビや学校教育などの公式な場面で、「標準語(普通話/プートンファ)」が用いられる
●「Mandarin(マンダリン)」は英語で中国の標準語を表す言葉で、
「標準語=普通話(プートンファ)」の意味
●「Chinese(チャイニーズ)」も英語で中国語を表す言葉で、
「標準語=普通話(プートンファ)」+「方言」を全て含めた中国語の意味

中国語の7大方言

中国語には方言が数多く存在し、大きく7つに分けられます。方言が異なれば「発音・語彙・文法」まで大きく変わるため、標準語(普通話/プートンファ)のみしか話せない人は全く聞き取れないだけでなく理解も出来ず、「外国語」のように感じるほど違いがあるのです。しかし「文章語」はどの地域でも共通しているので、読解することはできます。

≪中国の7大方言≫
・北方語(ほっぽうご)
・呉語(ごご)
・粤語(えつご)
・閩語(びんご)
・贛語(かんご)
・湘語(しょうご)
・客家語(はっかご) 

1.北方語(ほっぽうご)

通  称:中国の標準語「普通話(プートンファ)」、英語で「mandarin(マンダリン)」、「官話」
使用人口:約9億人、中国の主要民族(漢民族)の73%、
主要地域:北京、天津、黒竜江省など
特  徴:
・代表言語は「普通話」
・中華圏第1位の使用率
・政治や経済などの場面で使われることから、「官話」とも呼ばれている

2.呉語(ごご)

通  称:上海語(シャンハイゴ)、蘇州語(ソシュウゴ)
使用人口:約8,700万人
主要地域:上海市、江蘇省南部など
特  徴:
・代表言語は「上海語」
・上海を中心としたビジネスを行う企業には必須な言語である

3.粤語(えつご)

通  称:広東語(カントンゴ)
使用人口:約1億人
主要地域:広東省の広州市、香港、マカオ、マレーシア、西南部、広西チワン族自治区東南部など
特  徴:
・代表言語は「広東語」
・中華圏第2位の使用率
・標準語「普通話(プートンファ)」と比べて文字表記はほぼ同じだが発音に大きな違いがあるため、広東語圏ではない人は全く聞き取れず、理解することもできない
・中国本土で使われる方言は「繁体字」を用いているが広東語を使用しているエリアは広範囲のため、広州では「簡体字」、香港では「繁体字」、マカオとマレーシアでは両方の言語が使用されている
・香港を中心としたビジネスを行う企業には必須な言語である

4.閩語(びんご)

通  称:閩南語(ビンナンゴ)、台湾語(タイワンゴ)、ホーロー語、福建語(フッケンゴ)
使用人口:約8,000万人
主要地域:台湾、福建省、広東省東部・西南部、浙江省、シンガポール、タイ、マレーシアなど
特  徴:
・台湾語はこの閩語(びんご)から派生している
・発音表記は「拼音(ピンイン)」ではなく「注音符号(チュウインフゴウ)」を使う

※発音表記の詳しい内容については、記事の後半『台湾と中国本土で使用する「中国語」は少し違う』で紹介します。

5.贛語(かんご)

通  称:江西語(コウセイゴ)、南昌語(ナンショウゴ)
使用人口:約3,000万人、漢民族の2.4%ほど
主要地域:江西省の北部・中部、湖南省の東南部、福建省の西北部など
特  徴:
・「贛」という字は江西省の略称から「江西語」と呼ばれている
・客家語に近い言葉
・7大方言の中で最も使用人口が少ない

6. 湘語(しょうご)

通  称:湖南語、長沙語、双峰語
使用人口:約3,600万人、漢民族の5%ほど
主要地域:湖南省の一部、四川省の一部、広東省の広西チワン族自治区北部など
特  徴:
・中国革命の指導者である毛沢東(もうたくとう)の母語

7.客家語(はっかご)

通  称:
使用人口:約3,200万人
主要地域:福建省西部、広東省東部、江西省南部、台湾
特  徴:
・漢族の客家人が使用するシナ語派の言葉で、使用人口が衰退してきている
・贛語(かんご)に近い言葉

台湾の「公用語は何語なのか?」


台湾は中華圏だから「中国語」なのか、台湾だから「台湾語」なのかと、台湾の公用語が何語なのか知らない人も多くいるのではないでしょうか。ここではいよいよ台湾人が使用する言語について紹介していきます。

台湾の公用語は「中国語」

台湾の公用語は、台湾というだけあって「台湾語」が使用されていると思っている人もいるでしょう。実際には「中国語」を中心に用いられており、台湾人が話す中国語は「台湾華語/国語」と呼ばれています。「中国語」は台湾、中国、香港、マカオなどで幅広く話されており、台湾人と中国人とでは問題なくコミュニケーションをとることができます。しかしそれぞれ文字や発音に特徴があるため、会話しているとお互いにどの国なのかが分かるのです。シンガポール、アメリカ、イギリス、日本では電車やバスなどの案内表示の言葉として用いられています。

中国語以外に「台湾で使用される5つの言語」


台湾では公共バスや電車などで、数多くの言葉を耳目に触れることができます。台湾で使用されている言葉、そして観光客のための言葉もあるのです。どんな言葉が使用されているのか順番に紹介していきます。

台湾で使用する言語①中国語(台湾華語)

台湾で一番使用されている言葉が「中国語(台湾華語)」です。中国語(台湾華語)は北京語を元にしており1940年代以降から台湾で使用が開始され始め、義務教育の場でもこの中国語(台湾華語)が用いられています。

台湾旅行へ行く際には、中国語(台湾華語)でのあいさつや数字などを勉強していくのがよいでしょう。訪日台湾人を迎える場合や集客したい方は、中国語でのポップ作成やインターネットでの発信で台湾人の理解度を高めることができます。

台湾で使用する言語②台湾語(閩南語)

「台湾語(閩南語)」は方言の1つで、台湾人全ての人が話せるわけではありません。台湾南部エリアの人、お年寄り、家庭内など限られたところで話されています。特に南部のお年寄りは中国語(台湾華語)を話すことが出来ず、台湾語(閩南語)のみしか話せない人も少なくありません。一方でお年寄りと生活する機会が少ない若者は、台湾語(閩南語)を話せないことも多いです。

台湾で使用する言語③客家語(ハッカ語)

「客家語(ハッカ語)」は中国大陸の福建省、広東省、江西省、湖南省を中心に使用されている言葉で、このエリアに住んでいた多くの人が台湾へ移民したことで現在でも使われています。バスや電車内など公共場所の放送で客家語(ハッカ語)を耳にすることができます。客家語は基本的には文語で表すことはなく、口語のみで使われる言葉です。

台湾で使用する言語④日本語

実は台湾人の多くは日本語を話すことができます。日本が統治していた時代によって日本語教育がされていたため、現在80代前後のお年寄りは日本語を話せる人が多くいます。また若者でも話せる人が多い理由には、日本のアイドル・バンド・アニメ・ドラマなどが好きで言葉を理解したい人や、日本観光をきっかけとして景色・文化・言葉に興味を持って勉強したい人が多く日本語を学んでいるのです。

人それぞれ日本語に興味を持つ内容や勉強する理由は異なりますが、日本のものをより楽しむために勉強しているポジティブな思考があります。そして高校や大学で日本語学科があることや日本語を教える塾も多く存在するなど、日本語を勉強する環境が豊富なことも要因の1つと言えます。

台湾で使用する言語⑤英語

日本と同様、日常生活では「英語」を使用することはありませんが、観光地やホテルなどでは多くの外国人を迎え入れるために通じる可能性が高いです。また高校や大学で留学することも一般的なので、多くの学生が英語を話すことができます。

台湾の主要言語「中国語(台湾華語)」と「台湾語(閩南語)」の特徴


中国語(台湾華語)と台湾語(閩南語)は全く異なるため、どちらかの言葉しか話せない人は理解することができません。各言語はどういった違いがあるのか特徴をみていきましょう。

「中国語(台湾華語)」の特徴

・台湾国内ではメインで使われている言葉
・お年寄りや南部エリアに住んでいる人は話せない人も多い
・口調がゆるいため、優しく可愛らしい雰囲気に聞こえる
・口語、文語の両方で使われる言語

「台湾語(閩南語)」の特徴

・ローカル言語であることから都市部では使われず、南部の人やお年寄り(70代以上)が使う
・若者(10代20代)や南部以外の住まいの人は話せない人も多い
・30代~70代は台湾語と中国語の両方を使い分けて話せる人がいる
・リスニングは多少できる場合でも、スピーキングはできない人も多い
・文字ではなく、話し言葉として使われる言語

台湾と中国本土で使用する「中国語は少し違う」


同じ「中国語」でも台湾人と中国人が使用する言葉は実は少し異なります。台湾人が使う中国語は「台湾華語(国語/中文)」とも呼ばれており、中国本土の公用語である中国語は「普通話」と区別されています。2つの大きな違いは「文字」「発音の仕方」「発音表記」です。具体的にどのような違いなのか紹介していきます。

違い①「繁体字」と「簡体字」の2つの文字

台湾国内の「中国語」 繁体字(はんたいじ)
特徴 伝統的な字で画数が多い。読み方は違うものの、日本語の漢字と似ている
使用地域 台湾、香港、マカオなど

 

中国本土の「中国語」 簡体字(かんたいじ)                       
特徴 簡略化した字
使用地域 中国本土、シンガポール、マレーシアなど

基本的に台湾・香港・マカオなどでは「繁体字」、中国本土・シンガポール・マレーシアでは「簡体字」を使用します。「粤語(えつご)=広東語(カントンゴ)」のように使用地域が広い言語は、中国の広東省では「簡体字」、香港では「繁体字」、マカオ・マレーシアでは「両方」の言語を使用する場合もあります。

この「広東語」は台湾では使用されておらず発音も大きく異なるため、意思疎通ができません。しかし台湾と香港は同じ文字「繁体字」を用いているため、文字で表記する場合は理解することができるのです。

「日本漢字」「繁体字」「簡体字」の違いは、下記の通りです。

   日本(漢字)       台湾(繁体字)       中国(簡体字)   
東京  東京 东京
売買 買賣 买卖
雑誌 雜誌 杂志
黒酢  烏醋  黑醋
弁当  便當 盒饭
観光 观光  观光
人生 人生 人生
美術館 美術館  美术馆

このように日本語の「漢字」と台湾で使用されている「繁体字」は同じ文字もあれば、ほぼ似ているものもあるためなんとなく理解することができます。一方で繁体字と簡体字は大きく異なり、日本人にとって一見どんな文字を表しているのか理解できない文字が多いです。「人生」という文字のように、「日本の漢字」「繁体字」「簡体字」全て同じ文字を表すものも中にはあります。

違い②発音の仕方

台湾人の発音:
中国で使われる「中国語」と比べて、舌を巻かず穏やかな発音します。

中国人の発音:
4つの声調があり台湾で使われる「中国語」と比べて、はっきりした発音と舌を巻いたような「R(アール)」をよく使います。そり舌音とも呼ばれ、日本語の発音にはない音です。

違い③発音表記

台湾の発音表記:「注音符号(チュウインフゴウ)」
注音は「ボポモフォ(bopomofo)」とも呼ばれていて、台湾で使われる発音記号のことを言います。日本語の「あいうえお」と同じ仕組みで、母音「16個」と子音「21個」を組み合わせることで1つの言葉を作ることができます。組み合わせのパターンはおおよそ400通りあり、最大で3つ組み合わせることが可能です。
例)
・こんにちは = ㄋㄧˇ ㄏㄠˇ   =你好
・ありがとう = ㄒㄧㄝˋㄒㄧㄝ ˙ =謝謝

中国の発音表記:「拼音(ピンイン)」
拼音(ピンイン)はローマ字アルファベットを使った言葉なので、外国人にも発音の仕方が理解しやすいです。
例)
・こんにちは = nǐ hǎo   =你好
・ありがとう = Xie4xie0  =謝謝

台湾人・中華圏の人を集客するコツ


中国圏で話されている言語には「繁体字」「簡体字」の2つ文字があり、発音やイントネーションは異なるものの文字表記すると読解することができるということを理解できたかと思います。台湾人だけに限らず、中国本土、香港、マカオ、シンガポール、マレーシアなどと中華圏の人々をインバウンド集客するためには「繁体字」と「簡体字」のどちらを使用すればいいのか悩む方もいるでしょう。ここではどちらの言語で翻訳すればいいのか解説していきます。

インバウンド対策には「繁体字」と「簡体字」のどちらを使えばいいのか?

インバウンドビジネスにおいてお店・商品・サービスの紹介、宿泊施設・観光地・公共交通機関の案内、レストランのメニューなどを翻訳する必要があります。これらは「繁体字」と「簡体字」の両方を用いて翻訳するのが効果的であり、おもてなしの心遣いと言えます。それは訪日外国人の中には繁体字と簡体字を使う地域の人々が入り混じっており、片方の言語だけを翻訳した場合にはもう片方の言語を理解することが難しいことがあるからです。

例えばターゲットが台湾人・香港人だけ集客したい場合には、2つの国の使用言語「繁体字」のみで翻訳することとなります。しかし「簡体字」を使用する中国本土、シンガポール、マレーシアの人々にとってはおもてなしされていないと不満に思ってしまうこともあるでしょう。仮に繁体字と簡体字の両方を読み書きできる人がいる場合だとしても、普段使い慣れている言語の方が理解度を高めるだけでなくストレスを感じることもありません。

自社のターゲットとする国は定まっているのか、もしくは幅広く多くの訪日観光客を集客したいのかによって言語を選択するのが賢明です。ただし両方の言語を翻訳するとその分コストがかかってしまうので、予算と相談しながら進めていきましょう。

国・地域 文字       口語    備考
台湾 繁体字 台湾華語 中国語以外にも台湾語やその他の方言も使用されている
中国本土(ほとんどの地域) 簡体字 普通話 標準語の普通話以外にも、広東語や上海語などの多くの方言が使用されており、口語では相互で理解ができない
中国本土(広東省の一部、広西チワン族自治区東南部) 繁体字 広東語
マカオ・香港 繁体字 広東語 英語やポルトガル語も使用されている
マレーシア 簡体字・繁体字 普通話 公用語はマレー語で、中国語、英語も使用されている
シンガポール 簡体字・繁体字 普通話 公用語は中国語、英語、マレー語、タミル語の4つが使用されている

翻訳する上での注意点

繁体字と簡体字を翻訳する上で注意しておかなければならないのは、それぞれの言語をしっかり分けて翻訳することです。繁体字と簡体字の言語を混同してしまうと言葉の意味が大きく異なってくることもあれば、理解できないような文章になってしまうこともあります。

自社で翻訳する場合や翻訳会社に依頼する際にもそれぞれのネイティブにチェックをしてもらうことや、各言語の字が混同しないようにすることが大切です。ターゲットとする「国・地方・都市」に合わせた言語で翻訳することによって、訪日客からの信頼や満足度も高まり長期的に見ても集客に大きな差が出てくるでしょう。

通訳インバウンドスタッフの配置について

台湾と中国本土ではそれぞれ方言があります。しかし共通する「中国語」では繁体字と簡体字の文字の違いによって文語を理解することはできませんが、口語であれば意思疎通ができるのです。そのため店舗などで通訳インバウンドスタッフを配置しなければならない企業は、訪日台湾人と訪日中国人に対して対応スタッフを分ける必要がありません。

ただし訪日香港人の場合は中国に対する社会情勢によって、中国本土で使用される中国語(普通話)の対応をされると不快な気持ちを持つ人も中にはいます。そのため香港人向け対応のスタッフがいない場合は、英語で話す方が良いとされています。

台湾語と日本語は似ている単語がある


日本語には英語やポルトガル語などから来る外来語が多く存在します。このように台湾語の言葉の中にも日本語から来た外来語が多くあり、日本と同じ意味・同じ発音をする言葉があります。例えば下記があげられます。

食べ物・・・寿司、さしみ、たこ、わさび、リンゴ、にんじん、味噌、てんぷら
その他・・・おじさん、おばさん、タンス、カバン、風呂、休憩、名刺

参考:言語処理学会
https://www.anlp.jp/proceedings/annual_meeting/2006/pdf_dir/P1-11.pdf

中国語は発音が大きく違っても、文字表記はほぼ同じで理解可能

この記事では台湾人が使う言語について紹介してきました。台湾で使われている言葉は「中国語(台湾華語)」と「台湾語(閩南語)」の2言語をメインとしていますが、国民全員がそれぞれを理解できるわけではありません。そして住む地域や年代によっては民族語である客家語(ハッカ語)や日本語を使う人もいます。

中国本土でも「上海語」や「広東語」などの方言がいくつもあります。いずれも中華圏の人をインバウンド対策する場合には標準語である「中国語(普通話)」で翻訳することとなりますが、ターゲットの住む国や地域によって「繁体字」と「簡体字」の両方を用意しておく必要があることを理解しておきましょう。

訪日客に快適に過ごしてもらうためにはそれぞれ言語の違いをしっかり理解し、ワンランク高いおもてなしで迎えていきましょう。