インバウンド向けにマーケティングを行うと一言で言っても、SEOコンテンツや広告などさまざまな手法があります。その中でも、必ずやるべきマーケティングはSNSです。
今回は、インバウンド向けになぜSNS運用が必要なのか理由を詳しく解説していきます。また、世界で利用者の高いSNSをランキング形式で紹介します。
訪日外国人をもっと集客したい・売上を伸ばしたいという方は最後までご覧ください。
訪日外国人向けにSNS運用が必要な3つの理由
訪日外国人観光客を相手にするなら、SNS運用は欠かせません。それは、どういった理由なのか見ていきましょう。
理由①個人旅行の増加
個人旅行で訪日する人が年々増加傾向にあるからです。
観光庁が発表している「訪日外国人の消費動向(2020年報告書)」資料によると、
・「旅行会社等が企画した団体ツアーに参加した旅行」9.3%
・「往復航空(船舶)券と宿泊等がセットになった個人旅行向けパッケージ商品を利用した旅行」 4.8%
国別で見るとロシア、インド、韓国では「個別手配旅行」が95%を超えており、「個別手配旅行」の割合が低い国でも72.8%と全体的に高い水準になっていることが分かっています。
つまり、旅行の行き先は自分たちで計画している旅行者が多いということなので、ファン(ユーザー)に直接訴求できる、あるいはコミュニケーションがとれる簡単な方法としても、インバウンド向けのSNS情報発信は欠かせないと言えるでしょう。
理由②リアルからオンラインの増加
新型コロナウイルスの影響で、旅行業界を含めた全ての業界だけでなく、プライベートにおいてもオンラインでのやりとりが増加したからです。
例えば旅行業界であれば、コロナ以前のように気軽に旅行へ行けなくなったので、オンラインを通じてイベントや旅行などを楽しむ方法が普及していきました。
感染者数が落ち着いてきた近年では、オンラインの参加とリアルの両方で旅行やイベントを行う、ハイブリッド型も注目されています。
オンライン上での交流に便利なのがSNSです。SNSには、
・興味を持っているユーザーへ向けていつでも情報を発信できる
・世界中どこにいてもイベントや旅行に参加できる
理由③観光客の奪い合い
コロナ禍では思うように利益が出せない状態が長く続いたことによって、観光客の受け入れが始まった今、パイの奪い合いが起こっています。
訪日以前より観光客を囲い込むための対策には、SNSはとても重要なものと言えます。
まだ日本を訪れたことのない人、来日経験はあるけど自社の魅力を知らない人などにも情報を届けることが可能です。
訪日外国人のSNS利用率
次のグラフは「訪日外国人観光客が出発前に役立った旅行情報源」について調べた観光庁の資料です。
最も役に立った情報源は「SNS(25.3%)」、次に「個人のブログ(24.1%)」「日本在住の親戚・知人(19.9%)」「自国の親族・知人(19.1%)」となっています。
出典:国土交通省観光庁「訪日外国人の消費動向(2020年1~3月期)」
情報源の言語は「英語(50.9%)」が最も多く、次いで「中国語:繁体字(26.9%)」「中国語:簡体字(23.5%)」の順になっています。
訪日旅行出発前ではなく、日本滞在中に役に立った旅行情報源についてはどうでしょうか。
出典:国土交通省観光庁「訪日外国人の消費動向(2020年1~3月期)」
圧倒的な割合を占めているのが「スマートフォン(81.2%)」です。役に立った旅行情報では、「交通手段」が最も高く、次に「飲食店」「宿泊施設」「観光施設」と回答しています。
検索エンジンからSNS検索へ
インターネットを使って調べ物をしようとしたとき、これまでであればGoogleやYahoo!などの検索エンジンを使って検索するのが当たり前でした。
しかし現在では、視覚と聴覚から多くの情報を得られる、SNSを使って検索することも一般的になってきています。
SNSでの情報には、商品やサービスを提供する企業だけでなく、実際に現地で体験した人の感想などが多く発信されています。
つまり、SNSでの情報は訪日旅行者にとって欠かせない情報源となり、企業側にとってはSNSからの流入で新規顧客の獲得や売上アップに期待できると言えます。
SNSでの情報発信が重要ということが分かりましたが、実際にはどのSNSを使って発信していけばいいのでしょうか。
世界で利用されているSNSランキング10
全人口79億9,000万人のうち、63.5%の50億7,000万人がインターネットユーザーです。アクティブソーシャルメディアユーザーは、全人口59.3%の47億4,000万人が利用しています。
インターネットユーザー数は拡大傾向にあり、今後も盛り上がっていく市場と言えます。
ここではDIGITAL AROUND THE WORLDが発表したレポート(2022年10月版)を参考に、世界で最も利用されているSNSのランキング10を紹介していきます。
第1位:Facebook(29.3億人)
第2位:YouTube(25.1億人)
第3位:WhatsApp(20億人)
第4位:Instagram(13.6億人)
第5位:WeChat(12.9億人)
第6位:TikTok(10億人)
第7位:Facebook Messenger(9.7億人)
第8位:Telegram(7億人)
第9位:Douyin(6.1億人)
第10位:Kuaishou(5.8億人)
参考:DIGITAL AROUND THE WORLD(2022年10月版)
海外のSNSマーケティングで上手く活用する方法
海外向けにSNSマーケティングを行う上で成功へ繋げるためには、最低限覚えておかなければならないことがあります。具体的にどういったことなのか3つ世紹介していきます。
①ターゲットに合わせたSNS運用が大切
世界で利用されているSNSのランキングをお伝えしましたが、「世界で人気のSNS」と「ターゲットとする国・地域で人気のSNS」は大きく異なる可能性があるということです。
ターゲットに沿った言語で懸命に発信していても、利用率が低いSNSを選定をしてしまうとせっかくの情報発信が無駄となり、集客や売上につながりにくくなってしまいます。
「ターゲットとなる国・地域がまだ決まっていないため、まずは世界全体へ向けて発信していきたい」という方であれば、先ほどの世界で人気のSNSランキングを参考にしてみてください。
すでにターゲットが決まっているという方は、そのターゲット国・地域で利用されているSNSは何かを把握した上で運用しましょう。
②海外向け機能を上手く利用する
SNSには翻訳やECサイト連携、決済サービスなど、海外向け機能のサービスを提供している場合があるため、SNSの特長をしっかり理解しておくことが大切です。
例えば、Facebookにはグローバルページという海外向けの機能があります。
グローバルページは同じURLに日本からアクセスしたユーザーには日本語、韓国からアクセスしたユーザーには韓国語のように、ターゲットに合わせて言語が自動最適化して表示されるものです。
このようなサービスがSNSにはあるため、上手く利用しながらSNS運用をしていきましょう。
③写真や動画は伝えやすい
写真や動画といった視覚で訴求することです。
世界で最も利用者数の多いFacebookや多くの有名人も利用するTwitterは、テキストに強いのが特徴です。しかし今SNSでは、YouTubeやInstagramなどの写真・動画といった視覚で楽しめるサービスが人気となっています。
インバウンド向けにはそのような写真・動画を得意とするSNS運用がおすすめです。
日本語が読めなくても写真や動画を使うことで、理解したり感動を与えることができます。
文字と比較して画像は7倍、動画は5000倍の情報を伝えることができると言われてますが、それだけ多くの情報を伝えられるならやらない手はないでしょう。
近年注目されているのが、数秒~数分程度のショートムービー(短い動画)です。動画が短いことで
・短いので離脱を抑えられる
・要点だけ簡潔にまとめることで印象に残りやすくなる
まとめ
今回は、インバウンド向けになぜSNS運用が必要なのかという点について解説しました。
世界ではインターネット人口が毎年増え続けていますが、その分SNSユーザーも増加している傾向にあります。
日本のこと、地域のこと、自社の商品やサービスのことなどをSNSで発信することで、来客数や売上がアップすることに期待できると言えます。
そのために、ターゲットとなる国・地域の特徴やプラットフォームの特性をしっかり理解した上で、SNSマーケティングを行っていきましょう。