英語学習の必要性は本当か?日本の未来から必要不可欠な理由を解説

「これからの時代、英語は必要だ」。
このような言葉を一度は聞いたことはあると思いますが、実際にそうだろうか?

外国人観光客や外国人労働者が増え、グローバル化が進んでいるとニュースなどで話題となっていますが、日本で生活をしていても英語を話す機会や英語が必要と思う瞬間は滅多にないでしょう。

もちろん英語ができたら、

  • 海外の友達が増えそう
  • 海外旅行が楽しくなりそう
  • 字幕なしで映画が見れて楽しそう
  • 道で困った人がいたら声をかけて助けることができる
といった良いことがたくさんあげられますよね。

一方、英語が理解できない・英会話ができないと、知らないうちに選択肢が狭まられていたり、せっかくのチャンスを逃してしまうことがあります。

そこで今回は、「日本人が英語を学ぶ必要性は本当にあるのか?」といった疑問に答えていきます。

英語を学ぶメリット、英語ができないことのデメリット、大人が英語を学ぶことについても合わせて詳しく解説していきます。

 

  • なんとなく英語の必要性を感じているが、何にも行動していない方
  • 英語には全く無縁の職業、全く無縁の地域に住んでいるから大丈夫と思っている方
  • 英語を勉強しているが、将来的に必要性や重要性が分からない方
  • 大人になってからの英語学習は遅いんじゃないかと感じている方
  • 英語を学ぶメリットとデメリットは何があるのかと疑問に思う方
  • 英語を学ばなくても、生活に困っていないと感じている方

こんな疑問やお悩みを解決したいなら、ぜひ最後までお読みください。

日本人にとっての英語を学習する必要性とは

日本国内では買い物や食事、サービスを利用するときなど全て日本語だけで生活できるので、一定の職業や業界で働く人以外英語を使う機会は少ないでしょう。

そのため、英語を勉強する必要性に疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。

この項目では「一般的な日本人」と「一部の日本人」の2カテゴリーに分けて、それぞれの必要性について紹介していきます。

一般的な日本人にとっての必要性

ほとんどの日本人にとって、英語の必要性は受験勉強くらいです。就職・転職、給料面に関わることもありますが、英語が出来なくても仕事は沢山あるし、圧倒的な必要性を感じていないという方は多いでしょう。

友人や恋愛等でのコミュニケーションで「相手のことをもっと知りたい」「自分のことをもっと知ってもらいたい」と感じたり、将来的に海外に「移住する」「ビジネスをする」などの理由がない限りは、本当に必要になるケースはあまりないと言えます。

英語は数時間・数週間で習得できるものではなく、成長しているのか不安になりながら長い期間をかけて学んでいくので、無理に英語を学習する人は少ないでしょう。

一部の日本人にとっての必要性

レストランや販売店、観光施設、イベント会場など外国人観光客に関わる仕事、取引企業が海外であるといったなどの仕事をしている人にとって英語は欠かせません。とはいえ、英語が必要な人はほんの一握りです。

観光業界においては新型コロナウイルスの影響で訪日外国人観光客数は大幅に減少したものの、コロナ以前の2018年では約3,119万人の人が日本を訪れていました。

近年、日本を含め世界的に入国規制が緩和され、以前のような賑わいを見せようとしています。

感染予防で人混みを避けるため・のんびり過ごしたいという理由から、東京や大阪といった都市部よりも、地方部へ訪れる外国人観光客が増加してきています。そのため、接客業では特に、地方においてもある日突然英語が必要となる可能性が高くなっています。

英語の必要性が高まっている3つの理由

これまで英語を必要としていなかった人や、これまで英語を必要としていた人も、日本国内では英語の需要が高まってきています。それはどういった理由があげられるのでしょうか。

・リモートワークの一般化
・企業の海外進出とグローバル化の増加
・機械翻訳の精度はまだ未熟

順番に説明していきます。

理由①リモートワークの一般化

新型コロナウイルス感染症をきっかけに、世界中の企業がリモートワーク(在宅勤務)を導入する動きが広がったことで、英語学習の重要性は高まっています。

出社が必要ないということは居住地が日本国内である必要がないため、世界中の人と仕事ができたり、海外の案件を受注したりすることが可能です。

リモートに適しているITやWeb関連の業界を中心に、リモート職専門の求人サイトが多数存在しているほどです。

ネットを通して世界中の企業と関われることで仕事の幅が大きく広がり、その分、世界中の人とコミュニケーションをとることが欠かせない時代となってきています。

理由②企業の海外進出とグローバル化の増加

「今後も日本でしか仕事をしないから大丈夫」「英語に関わる仕事じゃないから大丈夫」と安心していても、企業が海外進出を目指すことで、日本語以外の言語でコミュニケーションをとらなければならない状況になってきています。

日本は少子高齢化社会や人口減少化社会の影響で、長い状況で見ると日本経済に期待することが難しいのが現実です。そのため、日本と比べて市場規模が大きい世界へ進出することで、事業発展や販路拡大につなげられることから、海外進出する企業が広がっています。

また、海外の良いところを取り入れる、優秀な人材を雇用する、労働力不足を補うためにも、外国人雇用は欠かせません。日本人の就職・転職においても、「英語を話せる・理解できる人に来てほしい」と考えていることから、TOEICの高スコアを求める求人が増えています。

たとえ日本国内での仕事であっても、従業員や取引先との円滑なコミュニケーションをとるために、英語の必要性や重要性はさらに進むことになるでしょう。

理由③機械翻訳の精度はまだ未熟

機械翻訳機やスマートフォンアプリの自動翻訳、電子辞書などは日々進化しているため、「英語ができなくても問題ないだろう」「通訳者や翻訳者が今後不要となってくるだろう」という考えを持つ人も多くいますが、機械翻訳は100%の精度とはまだ言い切れません。

機械翻訳は一般的なコミュニケーションシーンを想定して設計されているため、特定の業界や業種によっては誤った表現で翻訳されてしまう可能性があります。

例えば、契約書や仕様の打ち合わせであれば仕事に関わる内容にギャップが生まれてしまったり、医療であれば命に関わるものであったりと、小さな表現で大きなミスへとつながってしまうことも出てきてしまいます。

英語にはない言葉・日本語にはない言葉もあるため、文化や状況によってニュアンスをうまく伝えるためにも、機械翻訳一つだけに頼るのはまだ時間がかかると言えるでしょう。

英語ができることのメリット

機械翻訳を使わず、自分自身の英語力を高めることでどんなメリットがあるのか説明していきます。

・自然なコミュニケーションが取れる
・多くの情報を得られる
・好きな作品を素早く観れる
・海外旅行を楽しめる
・友人が増えて人生の視野が広がる
・転職や昇進昇格につながる

順番に説明していきます。

メリット①自然なコミュニケーションが取れる

自然な流れでコミュニケーションが取れることです。

自然なコミュニケーションをとるためにはテンポ・声のボリューム・声の高さ・言語のチョイスなどが重要です。

機械翻訳機や電子辞書を使っても会話は成立しますが、実際に会話するのと比べると細かなニュアンスを伝えることが難しいと言えます。

また、日本語は主語を省略しても実際に会話する相手には大体伝わりますが、翻訳機を通すときには正しい文法を使わなければ意味が異なって翻訳されることがあります。

便利な道具ですが、日常会話やちょっとした雑談、ビジネスの会話まで気持ちよく自然なやり取りをするためには、間に何も介さないのが良いでしょう。

メリット②多くの情報を得られる

英語を理解できるようになると、最新の研究論文やビジネス書、海外のSNS発信情報などを理解できたり、膨大な情報の中から信頼できるものだけを見つけ出すことができます。

企業であれば商品やサービス、フリーランスであれば知識や技術といったように、ライバルと差をつけるためには日頃から最新トレンドを把握していることが大切です。

インターネットの世界で最も使用されている言語は英語です。日本語でも最新トレンドの情報は得られますが、一次情報が英語から発信され、そして日本語に翻訳されている場合は、世界的に見てタイムリーなトレンドとは言えません。

英語力はコミュニケーションツールとしてだけでなく、情報ツールとしても非常に有利になります。

メリット③好きな作品を素早く観れる

英語が理解できると、趣味・娯楽の洋画や海外ドラマ、海外YouTuberの動画などを字幕なしで観れます。

日本語字幕や日本語吹替の作品を作るためにはどうしても時間がかかることから、どこかの国で新作が出ても、そこから一定期間待たなければなりません。

現代は動画配信サービスやSNSによって最新の作品が気軽に早く観れる環境が整っているため、英語によって楽しみ方を増やすことができます。

メリット④海外旅行を楽しめる

日本語のガイドや通訳が付いたツアーもいいですが、英語ができると行きたいルートやスケジュールを自分自身で自由に決められます。

旅行先で出会った人と会話をすれば、日本語のガイドブックやテレビ番組等には載っていない、とっておきの場所を訪れることができます。

万が一、事故や病気、盗難などのトラブルに遭った場合は、英語で状況を説明し、解決方法を早く導き出すことも可能です。

メリット⑤友人が増えて人生の視野が広がる

海外旅行先や国内イベントなどで出会った人と仲良くなることで、海外の友達ができます。

今はSNSやゲームなどインターネットを通じて、海外の人と関わる機会がたくさんあります。友好関係が広がることで、自分とは違う常識・宗教・考え方などユニークな異文化に触れることで、人生が楽に楽しく生きられるコツが見つかることもあるでしょう。

メリット⑥転職や昇進昇格につながる

冒頭でもお伝えしたように、海外進出や外国人労働者の受け入れなど、企業のグローバル化が進んでいるため、英語力がある人材を求めている会社は徐々に増えてきています。

英語力があると転職や昇進昇格が有利に働いたり、給与アップに期待できます。海外支社や現地法人で働くといった、労働環境の変化につながるチャンスもでてくるでしょう。

英語ができないと直面する危機

英語力があるとメリットはたくさんあるとお伝えしましたが、反対に、英語が出来ないと直面する危機はどんなことがあげられるのでしょうか。

・給料が増えない
・後輩に仕事を奪われる
・外国人労働者に仕事を奪われる

順番に説明していきます。

危機①給料が増えない

多くの企業は英語ができなくても何ら問題はありませんが、「英語ができない」つまり「英語を必要とする仕事は除外される」ということになるので、就職や転職の選択肢は必然と減ります。英語力の有無で給料の差が出るということです。

また、今いる会社が将来的に海外企業と関わるようになったり、外国人労働者の雇用が進んだ場合、英語ができないと昇進昇格が遅れ、結果的に給料が上がらない状態が続くことになります。

給料が上がらないうえに物価が上がり続けると、生活が苦しくなっていくことが目に見えています。

危機②後輩に仕事を奪われる

日本では小学校から英語の授業が導入されたり、コロナ以前のデータでは日本人留学生の割合が増加したりと、若い世代の方が英語力は伸びています。

㈱リサーチ・アンド・ディベロプメントが調査した「自分自身の英語力」についての調査アンケート結果では、18歳~24歳の4人1人が日常会話レベル以上は話せると自負しています。

つまり、会社で海外赴任や海外の重要取引先との会議といった大きなチャンスがあっても、英語も仕事もできる優秀な後輩にポストを奪われてしまう可能性が高いということです。

危機③外国人労働者に仕事を奪われる

企業にとって日本人よりも優秀な外国人労働者を雇用した方がコスト削減につながったり、人材不足を補いやすいことです。

日本では、コンビニや飲食店といった接客業、重労働な建設業や農家などのさまざまな業界では、深刻な人手不足に悩まされています。

近年では、円安の影響で賃金が安くなっていることや物価の高騰から、外国人労働者にとって日本で働く魅力は以前ほどではないものの、それでも日本という国に憧れて働きたい人は数多くいます。

3K労働(きつい・汚い・危険)は日本人にとって人気がない職業ですが、外国人労働者にとっては立派な働き口です。そのため、日本人の働き手が見込めない業界では外国人労働者を雇用する動きが見られています。

さらにAIの進化が進んでいくと、これまで日本人が働いてきた仕事がなくなり、新しい職選びは難しい状況となっていくでしょう。

そもそも大人になってから英語学習しても間に合うのか?

子どもの吸収率は想像以上なので、「子供のうちから英語を学ばせよう」といった内容の広告が頻繁に使用されています。

そのため、「社会人になってから、英語の勉強をやり直すのは遅いのではないだろうか…」と心配する方は多いでしょう。実際には、英語学習が遅すぎるということはありません。

子どもは音に敏感なため発音を真似しやすいことや、好きなものに対して記憶力が良いといった感覚的な得意さがあります。一方、大人は複雑な文法を覚えたり理論的に物事を考えたりと、頭を使ったことが得意です。

たとえ、英語を習得するスピードは子どもと比べて遅かったとしても、大人には違った強みがあるので、「いい歳だから…」「今さら覚えても…」と諦める必要は一切ありません。

「英語を話せるようになりたい」「英語を理解できるようになりたい」「いつか何かのために勉強しといたほうがいいかな」と思ったときが、英語学習を始めるときなのです。

社会で求められる英会話力はどのレベルなのか?

英会話には、くだけた表現の「日常英会話」と、丁寧な表現の「ビジネス英会話」があります。必要な英会話レベルは、どんなシーンで英語を使うかによって分かれます。

例えば、買い物やお店を予約するやり取りでは「どんなことを聞かれるのか」「どんなことを質問するのか」ある程度予想がつきます。また、文法や単語が多少間違っても、なんとなく会話が成立します。

一方、ビジネス英会話の場合は、一気に難易度が上がります。相手の求めていることを読み解く、分かりやすく説明する、相手を説得する、相手の文化を理解するなどコミュニケーション能力が必要となるため、ただ単に「聞く」「話す」というわけにはいきません。

業界用語や専門用語を使う業界も多いので、合わせて覚える必要もあるでしょう。そのため、これから勉強を始めようとしている人は、「どういったシーン」「どういった業界」で英語を使うのか、あらかじめ予想を立てながら学習することが大切です。

まとめ

今回は、「英語を学ぶ必要性は本当にあるのか?」といった疑問について詳しく解説しました。

英語学習に早い・遅いはありません。そのため、30代40代の社会人だって、定年を迎えた大人が学習しても全く問題ないということです。

定年の年齢が上がる定年延長の導入や人生100年時代といた新時代に備えるのも良し、旅行や新しい友人を作って人生を豊かにするためにも、今から英語学習を始めてみてはいかがでしょうか。