新時代はオンライン事業で生き残れ!参入メリットやビジネスの種類

コロナショックにより日本国内から世界各国まで、経済的に大きなダメージを受けました。その中でも飲食店や観光業界、フィットネスジムといったリアル店舗でのビジネスでは、接触や三密、移動の制限により集客するのが難しい状況となってしまいました。

集客が出来なければ売上が下がるばかりなので、なんとか会社を維持していこうと考えられたのがオンラインビジネスです。

コロナ発生前のオンラインサービスと言えば「オンラインバンク(インターネットバンキング)」やUberEATSのような「フード宅配代行」などが一般的でした。しかしコロナ発生後は予想もしなかった業界から、次々とオンラインを活用したビジネスを行い、少しずつ顧客を取り戻しているのです。

そこで今回は新規事業のヒントとなるように「オンラインを使ったビジネスの種類」や「オンラインビジネス参入のメリット」について紹介していきます。コロナ禍、そしてアフターコロナでも継続して集客や売上を伸ばしていくためにはどのようにしていくべきなのか、ビジネス戦略に役立てていきましょう。

コロナ禍でオンラインサービスが急増

そもそもオンラインサービスとは

「オンラインサービス」とはスマートフォンやタブレット、パソコンを使って、買い物やデリバリーなどができるサービスのことを言います。サービスの提供方法は自社のWebサイトや、ZOOM・LINE・Skype・Facebookメッセンジャーなどのアプリのビデオ通話を活用しているのが主です。

そしてオンラインでの配信は大きく2つに分かれ、「録画配信タイプ」と「リアルタイム配信タイプ」があり、業種や手段によって配信方法が異なります。「録画配信タイプ」は自分の好きな時間に何度でも視聴してもらうことができ、「リアルタイム配信タイプ」では配信者と視聴者がチャットでのコメントや音声マイクを通じてコミュニケーションをとることが可能です。

コロナ禍でオンラインサービスが急増しているワケ

コロナ発生前でもオンラインショッピング、オンラインゲーム、オンラインスクール、オンラインバンクといったサービスはありました。しかしコロナ発生後は不要不急の外出や移動の制限、店舗の営業時間短縮によって、オフライン(リアル)の店舗からオンラインへの需要が急増していったのです。

オンライン上であれば接触機会や三密回避で感染リスクを減らせること、そして自宅で安全・快適に過ごすことができます。企業はビジネスで生き残っていくために新しい生活様式に対応し、コロナウイルスが発生する前では考えられなかったような斬新で新しいオンラインサービスが続々登場してきています。

オンラインサービスの種類10選

世界を襲ったコロナの影響で、これまででは考えられなかったビジネスが多く登場しています。オンラインを活用してどんなサービスを提供できるのか知っておくことで、常識という枠を超えて物事を考えたり、ピンチをチャンスに変えるきっかけになったりするはずです。

それでは実際にどのようなオンラインサービスが世の中にあるのか、業界別に紹介していきます。

  1. ビジネス関連
  2. 飲食業界
  3. 教育業界
  4. 趣味・娯楽用品業界
  5. スポーツ業界
  6. 観光・旅行業界
  7. 医療業界
  8. 住宅・不動産業界
  9. 婚活・ブライダル業界
  10. 宗教業界

1.ビジネス関連


ビジネス関連では「ミーティング、セミナー、面接、会社説明会、社員研修、商談」などのシーン」で活用されています。オフラインでセミナーや会社説明会、社員研修を開催するとなれば会場手配や設営、受付、片付けの工数に加え、会場費用、移動時間、交通費、宿泊費などのコストが発生することもあるでしょう。しかしオンラインであれば参加するためのネット環境、パソコンやタブレットなどの端末さえあれば手軽に行うことができます。

また営業職は「足で稼ぐべきだ」と言われていましたが、オンライン商談に切り替えることで多岐にわたるメリットがあります。例えば移動時間が少なくなったことで商談件数の増加や良質な企画提案書作成の時間に費やせ、結果的に売上アップに繋げることが可能となります。

■実例:新卒採用の会社説明会・会社紹介「住友電装」


■実例:新卒・インターンへ向けた会社説明会「ユニリーバ」

2.飲食業界


飲食業界では「デリバリー・出前・宅配、ネットスーパー、農家や漁師から直接ネット購入、飲み会」などがあります。感染症対策のため休校やリモートワークで自宅から出る機会が減った人、接触機会を減らすため外出を控えている人、ゲームや映画・ドラマ鑑賞などながら飲みをしたい人など、簡単・便利なフードデリバリー需要が急増しています。

届いた瞬間に食べられるフード宅配サービスだけでなく、レシピと食材がセットになって自宅で楽しくプロの味作れるミールキットのデリバリーも人気です。

また画面越しで家族や友人、会社の同僚や取引先とお酒を飲んで楽しむオンライン飲み会においても、フードデリバリーの利用者は増えています。その際お酒やおつまみなど個々で作ったり、デリバリーする場合が多いことでしょう。しかし歓送迎会などのイベントにはより一体感を持たせることができるよう、同じ食事やお酒を複数の場所に届けられるサービスを行っている企業もあります。

■実例:オンライン飲み会や食事会にぴったりの宅配オードブル「ごちクル」
「ごちクル」のサービス紹介へ 

■実例:全国各地にある居酒屋チェーン店塚田農場が、各地域に居酒屋メニューを届ける「家飲み便」
「家飲み便」のサービス紹介へ

3.教育業界


教育業界では「授業、資格・入試試験対策、外国語、パソコン操作、プログラミング」などがあります。感染症対策のため休校になっている学校や塾での授業、資格・入試試験対策でオンライン学習をすることで、単位や資格の取得に役立てることができます。

また英会話や韓国語などの外国語学習、プログラミング学習、パソコン操作学習もあり、中でも英会話学習は子供から大人まで人気です。学校教育で英語の点数を上げたい学生、海外旅行へ行く際にスムーズな旅行を楽しみたい人、インバウンド需要が増える中で訪日外国人と関わる仕事に就きたい人、留学前に英会話のレベルを上げておきたい人など目的は多数です。

プログラミング学習やパソコン操作学習(YouTubeの動画作成など)については、IT人材の需要も高まっていることもありますが、仕事だけでなくプライベートでも生かすことができます。スキルを身につけると就職、副業、起業につなげることも可能なことから、自宅学習サービスが数多く誕生しています。

「訪日外国人向けのオンライン接客英語」に関する記事はこちらをご覧ください。
▶インバウンドには英語が必須!【接客業向け】オンライン英会話会社6選

■実例:学生・日常英会話・ビジネス向けの英会話学習「レアジョブ英会話」
「レアジョブ英会話」のサービス紹介へ

■実例:現役エンジニア講師からマンツーマンでプログラミングが学べる「CodeCamp」
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4.趣味・娯楽用品業界


趣味・娯楽用品業界では「電子書籍、料理、アート(絵画)、フラワーアレンジメント、手芸、陶芸、写真、ダンス」などがあります。電子書籍の場合は書店や図書館に出向かずともスマートフォンやタブレット端末だけで読め、本の厚みや重さに関係なくどこでも持ち運べるのが最大のメリットです。また電子書籍内にしおりやマーカー線を引いたり、メモ書きすることができるものもあるので、趣味や学習のための便利なサービスです。

講師は日本国内だけでなく世界各国から講師を集めているサービスであります。そのため料理であればイタリア流のピザやパスタ、ダンスであればハワイのフラダンスなど、インターネットを通じて本場の食材や雰囲気も感じることができる新しい体験も可能です。

■実例:新しい学びや趣味を全国1万5,000教室以上の豊富なレッスンから選べる「趣味ナビ」
「趣味ナビ」のサービス紹介へ

■実例:自宅にいながら花屋の店内散歩、自宅に合った花の相談、会計、配送まで可能な「Your Florist」
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5.スポーツ業界


スポーツ業界では「フィットネス、パーソナルトレーニング、筋トレ」などがあります。外出自粛となったことで自宅勤務や休校がなされ、運動不足やストレスがたまっている人は多くいます。そんな時に自宅でもしっかりトレーニングができるように、インストラクターとコミュニケーションを取りながらライブレッスンが受けられます。運動指導だけでなく健康的な食事のアドバイスや管理サポートを行っているサービスもあります。

■実例:エクササイズ以外にもヨガやピラティスなど多ジャンルで、350種類以上の配信動画を選べる「リーンボディ」
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■実例:子ども向けの運動能力アッププログラム「さわだスポーツクラブ」
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6.観光・旅行業界


観光・旅行業界ではオンラインやバーチャル(VR=仮想現実)での「国内外旅行、バスツアー、修学旅行、美術館・博物館巡り、工場見学」などがあります。オンラインで旅行や美術館を巡るということは、これまでの発想は到底考えられなかったことでしょう。しかし外出制限や三密を避ける行動を取らなければいけないコロナ禍によって、オンラインでのレジャー需要が高まったこと、旅行業界の新たな事業の柱としてさまざまなサービスが生まれています。

コロナ発生前は趣味が旅行だった人、自宅ばかりの生活でストレスに感じている人、旅行のハードルが高かった高齢者にとっても、インターネット上で国内・海外旅行が味わえるとして需要が高まっています。そのため倒産間近だった企業がV字回復を成し遂げた成功例も多くあります。

楽しみ方はコミュニケーションが取れるオンライン、ストリートビュー、専用のゴーグルを付けると臨場感あふれる3D映像が楽しめるVR(仮想現実)、施設のスタッフや専門家が解説しているYouTube動画などで提供しています。

■実例:1983年に開館した日本・東洋・西洋の各国・核時代の作品が展示された美術館「東京富士美術館」
「東京富士美術館」のサービス紹介へ

■実例:日本・世界のオンライン体験ツアーが1,000件以上ある大手旅行会社「HIS」
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7.医療業界


医療では「オンライン診察」があります。患者のスマートフォンやタブレットなどの端末で、医師と電話やビデオ通話を繋ぐ方法です。オンライン診察をすることによって、院内感染や二次感染のリスクにさらされないこと、診療や会計での待ち時間の削減、移動時間や交通費の削減につながるメリットがあります。また診療費や薬剤費はクレジットカード払いなどのオンライン決済、処方された薬は配送することで、自宅で安全・安心の診療を提供できます。

■実例:全国にある医療施設や薬局から探すことができる総合サイト「CARADAオンライン診療」
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8.住宅・不動産業界


住宅・不動産業界では「賃貸情報・住宅購入・不動産売買」で活用されています。感染予防対策のため自宅やレンタルオフィスなど、会社以外でのテレワークが一般的になりました。テレワークを行うことで自宅での作業スペースが必要となったことや、通勤時間を減らすためわざわざ家賃や物価が高い
都心部や駅近の物件にこだわらなくても良いというような理由から、郊外へ引っ越しをする人が多くなってきています。

新しい物件探しにはストリートビューや担当者とビデオ通話を利用します。そして家の周囲環境・部屋の雰囲気・設備などを内見、契約、鍵の受渡しまで来店不要で完結できるので、地方から上京する学生や遠方への引っ越しを検討している人にとって便利なサービスとなります。

■実例:賃貸や売買まですべてオンラインで探せる「Kant」
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■実例:賃貸や売買はもちろん、相続や投資物件、シニア物件までVRを使った内見が可能な「LIXIL不動産」
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9.婚活・ブライダル業界


婚活・ブライダル業界では「デート、恋活、婚活」を目的としたオンラインでの出会いが徐々に増えてきています。オンライン上での出会い方はマッチングアプリ、TwitterやFacebookなどのSNS、趣味やサークル、婚活パーティーイベントなどがあります。

出会いのきっかけづくりだけでなく、オンライン上で結婚式を挙げるサービスも登場しています。コロナの影響で挙式の延期やキャンセルをせざるを得ない人や、遠方から家族や親族、友人等を呼ぶことが難しい状況が続いています。そのため新郎新婦の2人だけが挙式を行うパターンや、親族や友人など最小限の人数が挙式に参加し、高齢者や遠方に住んでいる人は式場スタッフが挙式の様子を動画配信するというパターンのサービスもあります。

挙式に参加できない人のために式場の料理やドリンクを宅配するサービスもあるとして、新しい結婚式が話題となっています。

■実例:乾杯用ドリンク、新郎新婦からの手紙、祝い膳キットが届けられる「HAKU wedding online」
「HAKU wedding online」のサービス紹介へ

■実例:自宅から結婚式を行う低価格プランから、プランから演出までこだわった会場プランが選べる「」
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10.宗教業界


宗教業界に関するものでは「法要・法事、墓参り、礼拝、ミサ、御朱印、おみくじ」などがあげられます。法事や墓参りなどはどうしても多くの人が集まってしまい、クラスター(集団感染)になってしまうリスクが高まります。三密(密集・密閉・密接)を削減するため施設への出入りが禁止されていたり、お清めや会食などの工程を減らす場合がほとんどです。

遠方に住んでいる人でも安全に手軽に参加できるサービスとして、お葬式や法事の様子をスマートフォンなどの端末から視聴・参列が可能なオンライン化が進んでいます。

■実例:法要(読経)に参拝できる「築地本願寺」
「築地本願寺」のサービス紹介へ

■実例:東京・銀座に1890年から続くプロテスタントのキリスト教会「銀座教会」
「銀座教会」のサービス紹介へ

オンラインサービスで生き抜いていくためのPoint☝
売上をもっとアップしていくためにはオンラインサービスで集客するだけでなく、
サービスに関連する自社商品の販売も加えていくことがおすすめです。

  • 例①フィットネスの場合:
    筋トレ動画+プロテインやダンベルなどのトレーニングのためのアイテム販売
  • 例②国内外旅行の場合:
    バーチャルツアー+ガイドおすすめの食べ物やお土産の販売

オンラインサービス事業を行うメリット


オンラインサービスを行うことで消費者にとっても企業にとっても大きなメリットがあります。消費者側・企業側それぞれのメリットを紹介してきます。

消費者側のメリット

消費者側メリット一つ目は「場所と時間に縛られない」ことです。スマートフォンやパソコンの端末でモバイル通信かWi-Fiでインターネットに接続していれば、24時間好きな場所から利用することができます。

二つ目は「時間や交通費を節約できる」ことです。例えばリアル店舗でショッピングする際には、当たり前ですが外出する必要があります。しかしオンラインショッピングであれば他人との接触や物に触れる機会がないので、感染リスクを回避することができます。また出掛ける準備、行き帰りの移動時間、レジに並ぶ、支払いするなどの時間や交通費も節約することができます。

三つ目に「新しいことに挑戦する機会が増える」ことです。リモートワークや休校、外出自粛によって自宅からでない日々が増えることで、自宅での有意義な過ごし方や面白い休日にしようと考える人が多くいます。オンラインでは全国各地・世界のサービスが受けられるので、親子が一緒になって楽しめるものや、オンラインを通じて新しい仲間ができたりとリアルとはまた違った楽しみ方ができます。

企業側のメリット

企業側メリットの一つ目は「商圏が広がる」ことです。多言語対応することで日本国内だけでなく、世界中の人を相手にビジネスを広げられます。またSNSやさまざまなメディアで発信しより多くの層に拡散されていけば、顧客の層を広げることも可能です。

二つ目は「コストをかけずにスタートすることが可能」なことです。店舗でビジネスを展開しようとした場合、前家賃や改装費の初期費用、機材、広告費、運転資金など莫大なコストがかかります。しかしオンラインビジネスであればパソコンとインターネット環境が基本で、必要であれば独自ドメインやレンタルサーバー代などの低コストかつ自宅からでも開始することができます。

三つ目は「ストレスが軽減できる」ことです。職場までの通勤時間や対人関係でストレスとなっている人が多くいます。オンラインであれば満員電車に乗ることや悪天候の中移動する必要もなくなり、人との接触リスクを抑えることにも繋がります。

オンラインサービスビジネスを行う際に必要なこと


オンラインビジネスを展開しようとした際には、キャッシュレス決済は欠かすこと
ができません。オンラインであれば人との接触や三密を避けられることがコロナ禍で必要なことなので、現金でのやり取りはナンセンスです。リアル店舗の場合だとしてもコロナ禍では、非接触や非対面対策が重要視されています。

また訪日外国人観光客にターゲットをシフトしていく場合でも、キャッシュレス決済は重要です。例えば中国や韓国、アメリカなどでは、コロナ以前よりキャッシュレス決済は当たり前の決済手段となっています。そのため訪日旅行中にストレスなく買い物や体験に費やせるとして必要不可欠と言えるでしょう。

「ITを駆使してリアル店舗で非対面・非接触を徹底する方法」や「非接触・非対面ツールを提供しているおすすめの会社」については下記の記事もご覧ください。
▶コロナ禍で加速のDXとは?デジタル活用の非接触・非対面ツールを紹介
▶非接触・非対面サービス会社5社をプロが厳選【2021年版】

まとめ

コロナ禍、アフターコロナにおいてもオンラインサービスやキャッシュレス決済の需要・必要性は増していくと予想されます。しかしITやオンラインを導入する際、業種や規模によっては大きなコストが必要になる場合があります。その場合お住いの地域や国の制度にある補助金や助成金をうまく利用して賢い運営を行い、事業を発展させていきましょう。