訪日外国人観光客の増加に伴い、ホテルの需要が非常に高まっています。
一部の大手のホテルでは、宿泊者の半数以上が外国人という実績があり、インバウンド需要の波に乗ることは業績に直結すると言っても過言ではありません。
しかし、「インバウンド対応って何をすればいいんだろう」とわからないことも多いですよね。
今回は、インバウンド対応の重要性から具体的な対応方法・インバウンド対応に成功したホテルの事例を交えてご紹介します。
ぜひ、参考にしてみてください。
インバウンドとは
インバウンド
インバウンド(Inbound)とは、外国人が訪れてくる旅行のこと。日本へのインバウンドを訪日外国人旅行または訪日旅行という。これに対し、自国から外国へ出かける旅行をアウトバウンド(Outbound)または海外旅行という。
引用元:JTB総合研究所(https://www.tourism.jp/tourism-database/glossary/inbound/)
インバウンドでは、日本へ観光に訪れた外国人をターゲットに様々な業界で参入する価値がありますが、なかでも宿泊業であるホテル業界は特に恩恵があります。
急激に需要が高まるインバウンド対応のホテル
政府は、「観光ビジョン実現プログラム2019」を策定し、2020年には訪日外国人観光客数4,000万人、2030年には6,000万人とすると目標を掲げています。
観光庁の”訪日外国人消費動向調査”では、2019年1月-9月には3兆6,189億円と年々増加傾向にあります。
一人当たりの訪日外国人観光客の旅行支出の内訳では、”買い物”に次いで”宿泊費”にお金を使用されており、なかでもフランスは宿泊費が10万6千円となっています。
そのため、訪日外国人を集客できるかどうかがホテル業界での成功の鍵となります。
年々増加している訪日外国人観光客
実際、日本政府観光局(JNTO) が発表している「国籍/月別 訪日外客数」では、2016年に2,403万人、2017年に2,869万人、2018年に3,119万人と年々訪日外国人観光客増加しています。
資料:日本政府観光局(JNTO) 「国籍/月別 訪日外客数」のデータを基に作成
同時に外国人の宿泊者数も増加している
観光庁が発表した「宿泊旅行統計調査」では、平成30年での外国人延べ宿泊者数が9,428万人を記録し、前年比は、三大都市圏で+18.6%、地方部で+17.8%と増加傾向にあります。
出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(https://www.mlit.go.jp/common/001296050.pdf)
宿泊費に重きを置いている訪日外国人が多い傾向
費目別に訪日外国人旅行消費額の構成比をみると、買物代が34.9%と最も多く、次いで宿泊費(29.2%)、飲食費(21.6%)の順で多い調査結果となっています。
宿泊費だけで13,212億円消費されており、いかにインバウンドの恩恵が大きいかが分ります。
出典:観光庁「2018年(平成30年)の訪日外国人旅行消費額(確報)」(http://www.mlit.go.jp/common/001283138.pdf)
東京オリンピックを迎える2020年ではホテル不足の可能性も
みずほ総合研究所は、日本人と外国人両方の宿泊需要を試算し、過去の五輪開催国におけるインバウンド客数の増加(五輪効果)が東京オリンピックで発生した場合、客室が不足する事態になると予測を発表しています。
みずほ総合研究所「みずほリポート(2018年10月29日)」(https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/report/report18-1029.pdf)
しかし、シナリオ別で見ると、日本人と外国人の宿泊需要の予測が上振れしなければ、多くのパターンで不足客室数は発生しないとも予測されています。
そのため、東京オリンピック開催期間中の宿泊需要の超過に対して、新規ホテルをさらに建設することで対応するというのは効率的ではないと考えられています。
ホテルシップの活用や民泊運用が有効
政府は、ホテル以外の宿泊施設として、ホテルシップや民泊の活用を推進しています。
ホテルシップ
ホテルシップとは、クルーズ船などの船舶を一定期港湾に停泊させて宿泊施設として活用するものです。
世界的にも過去のオリンピック開催時にも活用実績があり、2020年の東京オリンピックの宿泊施設の確保の手段として、政府が旅館業法や出入国管理及び難民認定法等の規制の運用についての整理を行い、ホテルシップの活用に向けて環境整備に取り組むことを発表しています。
民泊
民泊とは、一般的には「宿泊用に提供された民家や空き別荘、マンションの空室などに有料で宿泊する」ことを指します。
ホテルなどの宿泊施設ではなく、住宅用の家をホテルのように活用することが可能になり、宿泊施設を確保することができます。
政府は、2018年6月15日に民泊新法(住宅宿泊事業法)を施行し、民泊運用の拡大を推進しています。
外国人に人気なインバウンド対応のホテルとは
では、訪日外国人の需要をいち早くキャッチし、インバウンド対応しているホテルはどんな取り組みをしているのでしょうか。
インバウンドに向けた施策や外国人に人気のあるホテルの特徴は以下の通りです。
インバウンド対応
- 多言語対応
- WiFiの設置
- 決済サービスの導入
- 水回りの整備
- 日本食が食べられる
- 日本文化を体験できる
- SNSやブログでの効果的な情報発信
外国人に人気なホテルの特徴
- 交通の便が良い
- 周辺環境が良い
多言語対応
観光庁が発表している”観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について”では、多言語ツールとして「多言語案内施設表示(館内施設案内等)」が一番外国人の方達に必要とされています。
出典:観光庁「観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について」(https://www.mlit.go.jp/common/001271444.pdf)
訪日外国人観光客の多くは言語が通じるのかが不安要素として大きく、案内板の多言語はもちろんのこと、自社のホームページの多言語化や多言語対応のスタッフを配置して会話ができるかどうかなども重要なポイントです。
WiFiの設置
観光庁の”訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート結果”によると、外国人観光客が旅行中に困ったこととして、”無料の公衆無線LAN環境(46.6%)”と圧倒的に多くなっています。
出典:観光庁「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート結果」(https://www.mlit.go.jp/common/001171594.pdf)
日本は他国と比べるとWiFiスポットも少なく、インターネット回線が使用できないと、地図で目的地を検索することも調べ物をすることもできないため、WiFiの有無は重要性が高いと言えます。
決済サービスの導入
観光庁の”訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート結果”では、外国人観光客が旅行中に困ったこととして、「クレジット/デビットカードの利用(13.6%)」があげられています。
出典:観光庁「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート結果」(https://www.mlit.go.jp/common/001171594.pdf)
特に中国・韓国・香港・アメリカからの訪日外国人観光客は数も多く、それぞれの国でのカードの利用率は日本の2〜3倍となっています。
カード決済が慣れ親しんでいる人たちにとって、決済サービスの導入は消費行動を促す重要なポイントです。
以下のカードブランドは抑えておくと良いでしょう。
- VISA
- MasterCard
- American Express
- DISCOVER
- Diners Club
- JCB
- 中国銀聯(Union Pay)
水回りの整備
TOTOの”訪日外国人の宿泊施設へのニーズ調査”資料では、74%の外国人が、トイレを重要視していることが分りました。
出典:TOTO「訪日外国人の宿泊施設へのニーズ調査」(https://jp.toto.com/company/press/2016/02/pdf/20160225.pdf)
なかでも「二度と利用したくないと感じたことはない」と感じた宿泊設備は「和式トイレ」でした。日本以外では、馴染みのない和式トイレは外国人観光客にとって不評のようです。
日本食が食べられる
観光庁の”訪日外国人の消費動向”では、訪日外国人観光客が訪日までに期待していたこととして、「日本食を食べること(71.5%)」が結果として出ており、一番期待されています。
出典:観光庁「訪日外国人の消費動向」(http://www.mlit.go.jp/common/001268670.pdf)
日本食では、すしや天ぷら、刺身以外にも、ラーメンや焼き鳥など比較的リーズナブルな日本のソウルフードも人気があります。
日本独特の箸を使う文化や畳に座って食すというスタイル、着物の女性スタッフが接客することなど、訪日外国人観光客にとっては一種の日本文化を体験でできるという点も日本食の魅力を感じさせるようです。
しかし、気を付けたいポイントとして、各国の食文化・食習慣です。イスラム教やキリスト教などの宗教など、多様な食文化、風習が存在します。
宿泊客の食文化に合わせた食材で料理を提供することも大切なポイントになります。
日本文化を体験できる
日本食を食べることのみならず、同じく観光庁の”訪日外国人の消費動向”では、訪日外国人観光客が訪日までに期待していたこととして、日本の歴史・伝統文化体験(22.6%)、日本の日常生活体験(17.6%)、日本のポップカルチャーを楽しむ(11.6%)と日本文化に触れたいという期待が多いことも分りました。
出典:観光庁「訪日外国人の消費動向」(http://www.mlit.go.jp/common/001268670.pdf)
浴衣を着用したり古武道体験したりなど、日本独自の文化や生活を体験するためのプランを宿泊とセットにしているホテルが訪日外国人の心を掴んでいます。
SNSを使用した情報発信
訪日外国人の集客には、SNSの活用がとても重要なポイントの一つです。
実際に、観光庁の”訪日外国人の消費動向”では、出発前に得た旅行情報源として、「個人のブログ」(31.2%)に次いで「SNS」(21.4%)があげられています。
出典元:観光庁「訪日外国人の消費動向」(http://www.mlit.go.jp/common/001230775.pdf)
ホテルの公式サイトだけでなく、SNSアカウントを開設して、SNSでは旬な情報をタイムリーに発信など自社のサイトと差別化することもポイントです。
主要なSNSとしては、
上記3つが利用されています。
各SNSの特徴を理解し、ターゲットに合ったSNSを活用していきましょう。
交通の便が良い
ホテルが駅から近いことやホテルまでの送迎環境が整備されていることなど、交通の便が良いことも訪日外国人にとっては重要なポイントになります。
観光庁が発表している”観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について”では、旅行中に困ったこととして交通の便の悪さがあがっています。
出典:観光庁「観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について」(https://www.mlit.go.jp/common/001271444.pdf)
しかし、交通の便の悪さを日本人の感覚と同様に扱ってはいけません。
日本人には「交通の便が悪いホテル」と口コミで書かれていても、外国人は「Nice Location(立地が良い)」と書かれているホテルが実際にあります。
日本人の感覚とは違う立地の感覚がありますので、インバウンド向けのホテルを建設しようと考えている方は、実際に外国人の口コミを確認してみると良いです。
周辺環境が良い
ホテルへの交通の便の良さも重要ですが、ショッピングや観光周辺などのアクセスの良さもとても訪日外国人客にとっては大切なポイントの一つです。
海外の場合、朝夕ともホテルではなくホテル外で外食することが多いため、訪日外国人観光客をメインで集客をお考えの方は、宿泊プランを素泊まりと1泊朝食に絞って、レストランの内装や厨房設備に投資しすぎないことがおすすめです。
また、食べ歩きなどを楽しむ訪日外国人観光客も多いため、できるだけ周辺に飲食店の多い地域で出店すると良いです。
インバウンド対応のホテル事例8選
それでは、実際にインバウンド集客に成功しているホテルをピックアップしてご紹介します。
大手宿泊サイトであるトリップアドバイザーから「外国人に人気の日本のホテル ランキング 2019」が発表されています。
ランキングは以下の通りです。
- 1位.クラブメッド 北海道 トマム(北海道占冠村)
- 2位.クラブメッド 北海道 サホロ(北海道新得町)
- 3位.ザ・リッツ・カールトン 東京(東京都港区)
- 4位.コンラッド大阪(大阪府大阪市)
- 5位.パークハイアット 東京(東京都新宿区)
- 6位.大阪マリオット都ホテル(大阪府大阪市)
- 7位.ホテルザフラッグ心斎橋(大阪府大阪市)
- 8位.ザ・リッツ・カールトン京都(京都府京都市)
- 9位.ザ・リッツ・カールトン 大阪(大阪府大阪市)
- 10位.マンダリン オリエンタル 東京(東京都中央区)
- 11位.Mume(京都府京都市)
- 12位.パレスホテル東京(東京都千代田区)
- 13位.東京ステーションホテル(東京都千代田区)
- 14位.コンラッド東京(東京都港区)
- 15位.スノーラインズロッジ白馬(長野県白馬村)
- 16位.MIMARU東京 上野稲荷町(東京都台東区)
- 17位.インターコンチネンタルホテル大阪(大阪府大阪市)
- 18位.MIMARU 東京 赤坂(東京都港区)
- 19位.MIMARU 東京 日本橋水天宮前(東京都中央区)
- 20位.シャングリ・ラ ホテル 東京(東京都千代田区)
クラブメッド 北海道 トマム(北海道占冠村)
クラブメッドは、世界24か国に約70か所のリゾートを展開し、オールインクルーシブバカンスのパイオニアです。
日本国内では北海道と沖縄県の2か所で運営しており、2017年12月にオープンした「クラブメッド 北海道 トマム」が堂々のランキング1位となりました。
インバウンド成功の秘訣は地域ならではの体験
クラブメッドが各リゾートで展開する『マストトライエクスペリエンス(この時期にここでしかできない体験)』があります。
「クラブメッド 北海道 トマム」が2018年の冬季シーズンで開催したマストトライエクスペリエンスでは、
- 北海道の上質なパウダースノー
- 北海道料理
- スノートレッキング
- カナディアンバス
上記の各リゾートと地域に特化した、ここでしか出来ない体験をすることができます。
ザ・リッツ・カールトン 東京(東京都港区)
出典:ザ・リッツ・カールトン 東京 公式ホームページ(https://www.ritzcarlton.com/jp/hotels/japan/tokyo)
2007年に東京・六本木にオープンした「ザ・リッツ・カールトン 東京」は世界最大のホテルチェーン「マリオット・インターナショナル」の傘下で、日本国内では、東京の他、大阪、京都、沖縄に店舗があります。
「ザ・リッツ・カールトン 東京」では2017年度宿泊者の約60%が海外からのお客様という実績もあり、インバウンドの取り込みに成功しているホテルの一つです。
インバウンド成功の秘訣はスタッフの多言語対応の強化
「ザ・リッツ・カールトン 東京」は、外国人スタッフを加えることはもちろんのこと、社内の語学研修では英語に加えて、中国語の研修も組み込まれ、多言語対応にできるよう力を入れています。
やはり、訪日外国人観光客の方達にとってコミュニケーションが取れることは不安の払拭に繋がり、支持を得ているようです。
ホテルザフラッグ心斎橋(大阪府大阪市)
出典:ホテルザフラッグ心斎橋 公式ホームページ(https://www.hoteltheflag.jp/)
ホテルザフラッグ心斎橋は2018年3月に開業した、インバウンドでも欧米からのゲストにターゲットを絞ったデザイナーズホテルです。
ショッピングや観光に便利な心斎橋・難波エリアにあるため、交通の便も非常に良く、すでに欧米比率60%とターゲット顧客の支持を得ることに成功しています。
インバウンド成功の秘訣は茶道体験ができるアクティビティを提供
ホテルザフラッグ心斎橋では、簡単なお茶を点ててお菓子を楽しむだけの茶道体験でなく、ライブラリースペースに組み上げられる茶室で、床の間・軸・茶花など本格的な室礼の中で一椀の茶を差し上げ、「茶道のおもてなしの心」を海外のお客様に体験いただく茶道アクティビティを英語で展開し、訪日外国人観光客の心を掴んでいます。
マンダリン オリエンタル 東京(東京都中央区)
出典:マンダリン オリエンタル 東京(https://www.mandarinoriental.co.jp/tokyo/nihonbashi/luxury-hotel)
「マンダリン オリエンタル 東京」は、おしゃれで粋な日本橋に位置するラグジュアリーな5つ星ホテルです。
和モダンのスタイルで、最新鋭のテクノロジーや好評のスパ、昼夜問わない素晴らしい富士山と東京の景色などで訪日外国人観光客から支持されています。
インバウンド成功の秘訣は世界でもトップクラスのおもてなし
「マンダリン オリエンタル 東京」は、スタッフの多言語対応はもちろんのこと、多くの訪日外国人観光客から接客対応などのスタッフの”気遣い”がトップレベルに高いと評判です。
Mume(京都府京都市)
出典:Mume 公式ホームページ(https://www.hotelmume.jp/room_tsuki1.html)
「Mume」は、京都府の祇園に位置するホテルです。
投稿された口コミ評価が高い宿泊施設をランキング化した「トラベラーズチョイス™ ホテルアワード2018」の”小規模ホテル”部門で、世界1位に選ばれています。
全客室が7室のこじんまりとした施設のなかで、スタッフが個々の宿泊者に対して旅程や滞在など細部にわたり最上級の気配りを提供しています。
インバウンド成功の秘訣は丁寧な対応と外国人観光客のためのサービス完備
外国人からの評価が非常に高い「Mume」ですが、評価の高さの理由には、スタッフの対応の丁寧さがあります。
出典:トリップアドバイザー(https://www.tripadvisor.jp/Hotel_Review-g298564-d1547516-Reviews-Hotel_Mume-Kyoto_Kyoto_Prefecture_Kinki.html)
口コミでは、駅からタクシーの運転手に事前に指示をしてくれたりと、宿泊だけでなく観光を楽しんでもらえるような気遣いが評価につながっています。
また、フリーWiFiの整備もされ、訪日外国人観光客にとって嬉しいサービスがしっかり整っていることも評価されている理由の一つです。
パレスホテル東京(東京都千代田区)
出典:パレスホテル東京 公式ホームページ(https://www.palacehoteltokyo.com/)
「パレスホテル東京」は、東京・丸の内に位置するホテルです。
世界でトップクラスのホテル41施設の1つとして「2019 Verified List」に選出されています。
2019年5月に国賓として来日した米国のドナルド・トランプ大統領が宿泊したことでも話題となりました。
インバウンド実績も長く、約半数の宿泊客が外国人です。
インバウンド成功の秘訣は”順応性”の高さ
「パレスホテル東京」では、ベジタリアンやアレルギーの方への対応、到着・出発時間との関係、さらに、韓国からのお客様が来られる場合の食事(主に朝食)には、必ず“キムチ”は提供するなど、各国の文化や風習などの変化に順応に対応することで”対応が素晴らしい”と訪日外国人から高い評価を得ています。
また、スタッフの多言語対応やインターネットの高速回線の整備、テレビについては英語・中国語、韓国語の放送も見られるため、部屋のなかでも退屈しないようどこにいてもおもてなしを感じられる環境が整っています。
東京ステーションホテル(東京都千代田区)
出典:東京ステーションホテル 公式ホームページ(http://tokyostationhotel.jp/)
「東京ステーションホテル」は、1915年に東京駅の中に開業した都市型ホテルです。
東京で現存するホテルとしては2番目に歴史があり、国指定重要文化財の中にすべてが位置するホテルとして国内唯一です。
ホテルまでの交通の便の良さはもちろんのこと、首都圏はもちろん国内各地への移動もしやすく、観光の拠点にはうってつけのホテルと言えるでしょう。
インバウンド成功の秘訣は最新テクノロジーの導入
「東京ステーションホテル」では、AIによって対応を可能にしたスマートフォン用チャットボットサービス”Bebot”を導入しています。
「Bebot」があれば、客室・施設内に関する細かな問合せ、周辺の観光スポット、飲食店予約など、外国人ゲストの質問やリクエストに対して、ホテルのスタッフに代わり、英語および中国語(繁体字・簡体字)で24時間365日リアルタイムに対応することが可能です。
コンシェルジュ業務の一部をAIで自動化することにより、宿泊施設の生産性を向上させつつ、宿泊ゲストの満足度向上に繋がっています。
MIMARU東京 上野稲荷町(東京都台東区)
出典:MIMARU東京 公式ホームページ(https://mimaruhotels.com/ja-jp/ueno-inaricho/)
「MIMARU東京 上野稲荷町」は、大和ハウスグループの株式会社コスモスイニシアが運営している都市型アパートメントホテルのひとつです。
訪日外国人には非常に人気で、ランキングでは「16位/MIMARU東京 上野稲荷町」、「18位/MIMARU東京 赤坂」、さらに「19位/MIMARU東京 日本橋水天宮前」の3店舗でコスモスイニシアのホテルブランドが選出されています。
インバウンド成功の秘訣は中長期滞在ニーズにも対応
「MIMARU」ブランドのホテルの特徴は、家族やグループでの中長期滞在に対応するため、キッチンやリビング・ダイニングスペースを備えていることです。
また、1泊1室あたりの料金設定のため、グループでの旅行でも宿泊費を抑えることができ、”暮らすように滞在する”という他のホテルにはない自由な旅先での暮らし方を提案することで差別化となり、訪日外国人から高い評価を得ています。
ホテルの需要は今後も高まっていく
以上、インバウンド対応したホテルをご紹介しました。
訪日外国人の増加にも伴い、ホテルの需要は今後もどんどん高まっていくとでしょう。
インバウンドを狙ってホテルで集客するためには、「多言語対応」「WiFiの設置」「決済サービスの導入」「SNSを活用した情報発信」さらには、ホテルまでの交通の便や周辺環境などにも気を付ける必要があります。
インバウンド需要をいち早くキャッチし、すでに成功しているホテルも続々出てきているので、自身のホテルの立地や規模、予算などを考えて、事例でご紹介したようなインバウンド対策の取り組みを始めてみると良いと思います。
インバウンド集客を本気で考えているのであれば、プロに相談するのもひとつの手です。
インバウンドという大きな波を乗りこなし、成果を出していきましょう。