台湾におけるFacebookの活用事情を解説!普及率や意外な使われ方

Facebookは台湾でもっとも利用されているSNSです。国民のほとんどが日常的にアプリを開き、情報収集や発信を行っています。台湾においてSNSを用いたマーケティングを行うのであれば、真っ先に候補に上がるサービスと言えるでしょう。

Facebookでマーケティングを行う際には、台湾でのFacebookの使われ方を正確に理解しておかなければなりません。実は台湾において、Facebookの立ち位置は徐々に変化しつつあります。

そこでこの記事では、台湾のFacebook利用状況について解説したあと、Facebookの利用方法の変化について詳しく紹介します。特に若年層に向けた情報発信を考えている企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

台湾でのFacebook利用率は8割以上

台湾では多種多様なSNSが利用されていますが、その中でもっとも普及しているのがFacebookです。国内総人口2,300万人のうち、Facebookの月間アクティブユーザーはおよそ1,900万人にも達します。国内の8割以上が、日常的にFacebookを利用しているのです。

Facebookは月間アクティブユーザーが20億人を超えるほど、世界的に利用されているSNSですが、中でも台湾は特にFacebookが普及している国なのです。2008年以降台湾国内でのユーザー数は増加し続けており、2014年の時点では、人口あたりの利用率が世界一になりました。

ユーザーの年齢層を見ると、もっとも多いのが25~34歳の男女となっており、次いで35~44歳、18~24歳と、世代を問わず幅広く利用されていることが分かります。

台湾での運営に力を入れているFacebook社

Facebook社は2014年以降、台湾国内で、法人向けのターゲティング広告サービス拡大に力を入れています。Facebook社のアジア太平洋担当副社長ダン・ニアリー氏は、2018年、台湾国内におけるデジタル人材の育成プロジェクトを実施することを発表しました。これは台湾企業のFacebook活用などが目的であると考えられています。台湾政府もFacebookの国内の事業展開を後押ししています。

台湾で利用されている他のSNS

台湾では、以下のSNSも日常的に利用されています。

YouTube

台湾はYouTubeの利用率の高さも顕著です。台湾人は日常的にテレビをみるような感覚でYouTubeを視聴しており、毎日およそ900万人以上もの閲覧が行われていると言われています。これは人口のおよそ4割にも達する数値となります。

Instagram

台湾でも、Instagramも徐々に普及しつつあります。Instagramの国内アクティブユーザーはおよそ740万人で、人口のおよそ3割ほどです。利用者のおよそ半数は24歳以下となっており、若年層を中心に広まっているSNSであると言えるでしょう。

Facebookと他のSNSとの使い分け

Facebookと他のSNSの使い分けについてみてみましょう。まずYouTubeはSNSというよりも、一つのメディアとしてのポジションを確立しています。友人とのコミュニケーションではなく、エンターテイメントコンテンツを視聴する媒体です。

ただ近年は情報を収集する手段としても使われるようになりました。例えばコスメ商品など、文章や画像では分かりにくいような商品情報も、動画として閲覧することで、より具体的なイメージが湧くようになります。商品の強みをプロモーションする手段として活用する企業やブランドも多くなっています。

Instagramは、親しい友人同士でコミュニケーションを取る手段としてはもちろん、インフルエンサーやブランドの公式アカウントをフォローしてトレンドをキャッチアップしたり、ハッシュタグで検索したりなど、情報収集のツールとしても活用されています。

Facebookの使われ方は移り変わっている

台湾国民で10年以上ユーザー数を増やし続けているFacebookですが、その利用方法は徐々に変化しています。もともとFacebookは友人や恋人などリアルな人間関係のつながりを、インターネット空間に持ち込み、近況を投稿したりコミュニケーションを取ったりするツールとして用いられていました。

友人が投稿した内容に「いいね」を押したり、面白いコンテンツをシェアしたりするといった使い方が一般的でした。しかしこのようなユーザーは近年少なくなっているようです。

その代わり、Facebookは情報収集のツールとしての役割が強くなってきました。タイムラインには友人の投稿ではなく、ブランドの公式アカウントによるプロモーション情報や、話題のニュースなどが流れてくるようになっています。

なぜFacebook上から投稿が減ったのか?

Facebookのタイムライン上から、近況の投稿やつぶやきが減ったのは、「ユーザーが増えすぎたこと」が原因であると言われています。Facebookは国民のほとんどが利用しているSNSです。その結果友人や知人だけでなく、親や親戚、学校の先生などもFacebookを利用するようになりました。

身近な人ともつながるようになったことで、プライベートな投稿がしづらくなっていったのです。特に若者が、友人や恋人に関する投稿や写真を、親や親戚、仕事の上司が見ているインターネット空間に投稿しなくなるのは、当然のことでしょう。

Facebookの代替として利用されるようになったのが、Instagramです。Instagramはユーザーの半数が24歳以下というデータから見ても分かるように、利用者の多くは若者です。親や仕事の上司とフォロー・フォロワーの関係性になる可能性も、Facebookと比較しても低くなります。

またストーリーズの投稿は24時間以内で消えますし、親しい友人のみに表示する設定も可能です。コメントのやり取りもダイレクトメッセージとして行われるので、第三者に見られることもありません。若年層を中心に、プライベートな投稿はよりクローズドなSNS空間で行われるようになっているのです。

Facebookの意外な使われ方

Facebookは、以下のような使われ方をされることもあるようです。

名刺代わり

Facebookアカウントは、出身学校や出身、好きな映画など、個人の情報を一括に集約できます。人となりや経歴を分かりやすくまとめ、端的に表現するのに役立ちます。ビジネスで知り合った人同士でアカウントをフォローすることもあるため、名刺のようなツールとしても利用されています。

ライブ配信

Facebookは、文章や画像だけでなく動画の投稿も可能です。特に近年、動画の「ライブ配信」が流行の兆しを見せています。主に企業やインフルエンサーが、顧客やファンとのコミュニケーションの手段として用いているようです。

チェックイン機能

Facebookには、チェックインと呼ばれる機能があります。これはいわゆる「位置情報のタグ付け」で、文章や画像の投稿に位置情報を付け加える機能です。投稿者が今どこにいるのかを簡単にシェアできるようになり、これは主に店舗や観光エリアなどのマーケティングに活用されています。

飲食店や観光地などは、訪れたユーザーの口コミが重要です。店舗を訪れたユーザーが、感想とともに位置情報を投稿することで、タイムラインを見た他のユーザーが興味を持つきっかけになります。チェックイン機能で位置情報が簡単に分かるため、興味を持ったユーザーはすぐに詳細情報までたどり着くことができます。

このような宣伝効果が期待できるため、例えば「チェックイン機能で写真を投稿したユーザーは割引」といったキャンペーンを行う企業や店舗もあるようです。

台湾でのマーケティングにFacebookは有効

この記事では、台湾でのFacebookの利用について解説しました。時代とともに、SNSの使われ方が変わっていっている点が、理解いただけたのではないでしょうか。

タイムラインの投稿が少なくなったからとはいえ、利用者が減少しているわけではありません。むしろ近年は、若年層を中心に「リンクをシェア」ではなく「スクリーンショットをシェア」するという文化が根付いています。

このため、魅力的な画像を活用したコンテンツであれば、十分にシェアされたり、口コミが波及する効果が期待できるでしょう。